シラホ News
( 2005年05月18日 掲載記事 )
絶滅から救え!ヤンバルクイナ
白保氏ら、沖縄・国頭村を視察
保護活動が本格化
救命センターが開所、
シェルターも設置へ
沖縄本島北部の森「やんばる」にだけ生息する国指定天然記念物・ヤンバルクイナが絶滅の危機に直面している。今年3月、NPO法人(特定非営利活動法人)の「ヤンバルクイナ救命救急センター」が開所したほか、地元自治体による保護シェルター設置への動きも始まっている。保護活動が本格化する中、公明党の
白保台一衆院議員
と前島明男、當山眞市(公明党・県民会議)の両沖縄県議、仲間正弘国頭村議、大城秀樹、金城善英の両名護市議の一行が6日、国頭村内の生息地を視察した。
うっそうと生い茂った森の道路わきに、小動物への注意を呼び掛ける看板が目立つ。豊かな森がはぐくんできた希少種を輪禍から守るためのものだ。中でも、飛べない鳥、ヤンバルクイナは今、深刻な危機にある。ハブ退治として導入され増殖したマングースや、野生化した捨てネコによる捕食、環境破壊、輪禍などが原因で、1981(昭和56)年の発見時と比べ、個体数は半分の1000羽を割り込み、分布域は40%も狭まった。
視察団の一行がまず訪れたのは、同村安田区に開所した「ヤンバルクイナ救命救急センター」。交通事故に遭ったり、天敵に襲われ傷ついたヤンバルクイナを救うため、ボランティアの獣医師らが24時間体制で勤務する。
同センターを運営するNPO法人「動物たちの病院」の長嶺隆事務局長(獣医師)は、「マングースの生息域は年々北上し、このままでは、あと5年でヤンバルクイナは絶滅に追い込まれてしまう」と警鐘を鳴らす。輪禍も後を絶たず、昨年は、4―6月の繁殖期だけで6羽が事故死した。同センターでは、道路や森を巡回し、傷ついたヤンバルクイナの発見に努めている。
一方、同センターが捨てネコ対策として期待するのは、国頭、東、大宜味の3村が今年4月から一斉に実施した、飼いネコに個体識別用のマイクロチップを埋め込み、適正飼育を義務付ける全国初の条例。
すでに3村では、2003年度から環境省のモデル事業により、飼いネコ約500匹のほとんどにマイクロチップが埋め込まれ、今年1月には、自宅から約2キロ離れた地点で発見された迷いネコが1年後に飼い主の元に戻されるという成果も表れている。
ヤンバルクイナの生息域そのものを守る計画も進んでいる。上原康作国頭村長の案内で、一行は、同村安田区の山林が見渡せる高台に上った。同村では来年度、マングースの侵入がみられない約13万7000平方メートルを高さ約3メートル弱のフェンスで囲い、緊急避難的地域(シェルター)を設置する計画。総事業費は約4000万円。村独自の負担となるが、「国の保護対策が待てないほど、事態は深刻」と、上原村長や長嶺事務局長は口をそろえる。
一行はこの後、環境省の「やんばる野生生物保護センター」へ。澤志泰正自然保護官によると、環境省は昨年10月、「ヤンバルクイナ保護増殖事業計画」を策定、県と協力し、10年以内にマングースの完全排除をめざす一方、ヤンバルクイナの人工繁殖の検討にも乗り出した。だが、マングースの生息地が米軍施設内と重なり、効果的なわなを仕掛けにくいなど、課題も多いという。
視察を終えた
白保
氏は「やんばるの生態系は、沖縄の豊かな自然そのものだ。ヤンバルクイナの危機を重大な警告と受け止め、マングースの完全駆除はもちろん、外来種による生態系破壊の防止対策や啓蒙活動、人工繁殖施設の早期整備などに全力を挙げたい」と語っていた。
「
公明新聞
」より