国 会 質 問
平成17年02月23日
衆議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会


 政府参考人出頭要求に関する件
 沖縄及び北方問題に関する件


○荒井委員長 次に、白保台一君。

○白保委員 限られた時間でございますので、大臣にお伺いいたしたいと思います。

 小池大臣の発言の中で、沖縄の自然環境は世界的に見て非常に貴重であり、責任を持って守り育てていくと同時に、沖縄振興の貴重な資源であるとの指摘をされた。その上で、先ほども出ましたが、環境と経済の統合を進めていく、こういうふうに言われております。大臣は環境大臣も兼務されておりますから、環境問題にも当然重きを置いて考えておられてこのような発言になったんだろう、こういうふうに思います。

 沖縄の人々は、常に米軍と、そしてまた自然環境に対して従属的な地位に置かれてきた一方で、豊富な観光資源を生かせば沖縄は経済的安定が得られる、こういうふうにも言われています。私自身も、「一千万人の出会い輝く島、沖縄!」、こういうことをスローガンにして観光振興に一生懸命取り組んでいるわけでございますが、人間同士の交流が大きな規模になれば、どこかで環境への負荷というものが出てまいります。

 そこで、沖縄の環境と経済の統合について、大臣は具体的にどのような思いでの御発言だったのか、まず最初にお伺いしたいと思います。

    〔委員長退席、今野委員長代理着席〕

○小池国務大臣 大臣といたしまして、沖縄にはもう既に何度か足を運ばせていただきました。そのたびに、沖縄の自然環境はすばらしいなという思いを深くするわけでございます。また、自然環境は、沖縄だけでなく、責任を持って守り育てていくべき財産であろう、このように思っております。一方で、沖縄の振興を推進するという役目もあるわけでございますが、その際に、自然環境の保全と活用に対しての十分な配慮、バランスが必要、このように考えております。

 具体的にどうかという御質問でございますので、何点か申し上げさせていただきますと、まず、環境大臣としても推進してまいりましたエコツーリズムでございます。

 これまでこの言葉はよく使われておりましたけれども、定義が明確でないということもございましたので、定義を定める。そしてまた、そのルールは一体どういう、共通のルール、そして地域で特別なルール、いろいろございますけれども、そういったことをまずまとめてみた、それを沖縄にも生かしていく。仲間川のマングローブの例なども、まさにエコロジーとツーリズムをどのようにして共存させていくかというような具体例ではなかったかなというふうに思います。

 それから、同じくエコツーリズムでございますけれども、体験滞在型観光を推進する。すばらしい自然を生かした取り組みを一層推進していくというのは、まさに環境と経済の統合の一例ではないかと存じます。

 また、赤土対策でございますけれども、サンゴに大きな影響を与えるということで、農用地などから土壌の流出を防止する対策を講じる。さらには、都市排水の農業用水への循環有効利用によって農業振興をしていくということも、二点目の具体例でございます。

 それから、平成十七年度からは、水産資源の増大に寄与すると考えられます藻場の保全、再生、そういった工法を開発することによりまして、美ら海の森づくり推進調査を実行していきたい、このように思っております。

 沖縄に限らず、環境と経済の統合は必要でございますけれども、特に沖縄については環境と経済の統合というのは大きなテーマではないか、そういった意味を込めて、所信で申し述べさせていただいた次第でございます。

○白保委員 さすがにこの間、我がふるさと八重山を回ってこられただけあって、仲間川も含めまして、非常にいい答弁だと思います。

 そこで、先日、新聞を見ておりましたら、まさにそのとおりだな、こういうふうに思っておりますが、明治大学の百瀬教授が、沖縄振興、特に中小企業の神様と言われて、さまざまな御指導をいただいておるわけですが、この方が先般のインタビューの中で、観光の入域客が年間五百万人を連続して超えておりますけれども、その割には必ずしも収益増にはなっていない、これは丸投げで観光をやっているからだ、こういうような強い指摘がありました。いっぱい来た、しかし豊作貧乏ということは、価格の決定権を放棄している経営の末路だ、こういうようなことを書かれておるわけですね。その際に、環境に配慮し、そしてまた、地元重視のステークホルダー型経営に転換していくことが沖縄観光の生き残る方法だ、こういうような厳しい指摘をされております。

 したがって、これまでも何回かお伺いしてまいりましたが、政府として、環境を重視した、そしてまた、ステークホルダー型への転換ということも含めた沖縄観光振興策についてどのようにお考えなのか、その辺をお伺いしたいと思います。

○小池国務大臣 沖縄への観光客数でございますけれども、平成十六年、昨年、台風が相次いで参りましたけれども、それでも過去最高を更新して五百十五万人、まさに観光産業というのは沖縄の基幹産業である、このように思うわけでございます。

 また一方で、沖縄らしさを生かしたリーディング産業としてさらなる振興を図っていかなければならない。観光産業は世界あちこちでしのぎを削っているということでございますし、日本人観光客もあちこちに、初めてハワイへ行くという人がだんだん少なくなる、そこまでいっていないでしょうかね、とにかく、いろいろなリゾートなどもあちこち見てきたりすると、目が肥えてくる。舌ももともと肥えております。サービスへの要求度というのは日本はそもそも高うございます。

 そういった中で、どうやって沖縄らしさを生かした観光を活性化していくかということでございますけれども、そもそも沖縄は年間を通じて温暖でございますし、サンゴ礁に囲まれた海岸線に白い砂浜、竹富島のあの砂浜なんというものは最高でございますけれども、豊かな自然は観光客にとって大変大きな魅力である。その意味では、サンゴ礁の保全対策支援事業とかエコツーリズム推進事業などの施策を推進するということも必要でございます。

 また、より質の高いサービスの提供ということで観光客の満足度の向上を図る。それから、滞在日数や一人当たりの消費額の増加に結びつくようなプラスアルファの価値を加える、付加価値をどうやって加えていくのかというようなことで、観光に従事する人材の育成であるとか、例えばバリアフリー観光への対応などをやっていくというようなことも一つだと思います。

 さらには、国を挙げてビジット・ジャパン・キャンペーンということもやっているわけでございますので、一番南の地理的な沖縄のメリットなども生かして、アジアを中心とした外国観光客の誘致も積極的に進めるといったような、さまざまな戦略、戦術が今後とも必要になってくるのではないか。

 私は、そのために幾つか沖縄の島も回らせていただきました。島によって表情はそれぞれ違います。ですから、私が申し上げているのは、その島の皆さんにまずみずからの島をもう一度見直してもらって、みずからのよさを一番よく知っているべき人たちですから、皆さんですから、まずそこから、この島はとにかく世界で一番なんだ、オンリーワンなんだということを見直していく、改めてみずからを見詰めるというところからこういった観光産業のブラッシュアップというのが進むんじゃないかな、このように思っている次第でございます。

○白保委員 ぜひとも、まさに今お話がございましたように沖縄経済のリーディング産業ですから、今後とも観光振興についての取り組みをよろしくお願いしたいと思います。

 さて、外務大臣にお伺いいたします。

 先般も予算委員会でもお伺いしましたが、去る十七日に米軍のヘリ墜落事故分科委員会の報告書が出されました。事故原因は一言で言えば整備上のミス、再発防止策としてマニュアルどおりに整備、検査の手順を行う、また飛行経路を再検討する、こういうふうな報告が出ているわけであります。さらに、これらの取り組み状況を合同委員会に報告する。

 こういうことは、これまで対策を実行したのかどうかわからないような状況で、うやむやにされていたようなかつてのことから考えれば、以前の取り組みとは非常に違った、一歩前進したのかな、こういう思いはするわけでありますが、これはあくまでも事故の対策、これからこうしますという事故対策であって、私自身は、前回の予算委員会でも申し上げたように、普天間の危険の除去というのをどうするのか。

 事故対策をやっていけば危険が除去されます、こういうふうになるのかもしれませんけれども、しかし、先日も申し上げたように、予算委員会の質問でも確認しましたが、イラク派遣中の沖縄の第三十一海兵遠征部隊が任務を終了して、二千二百人の兵員と二十機のヘリが戻ってくる。大臣は、大使館に確認して、そのとおりだ、こういうふうにおっしゃいましたが、また事故の恐怖が県民の中に大きく広がっていく。こういうような状況、これはもう非常に耐えがたいことなんです。

 したがって、この危険の除去という観点から、大臣はアメリカ側に、この危険の除去について、現場の声等も含めてお伝えなさったんでしょうか。また、お伝えなさるお考えはあるんでしょうか。

    〔今野委員長代理退席、委員長着席〕

○町村国務大臣 確かに、委員御指摘のとおり、現在の普天間を初めとするヘリコプターの事故が起きた場合の対応というものについて今回報告がまとまった、承認されたということでありまして、これはこれでしっかりやらなければならないことだとは思いますけれども、これで根本解決かといえば、これですべてが解決したということにはならないのは委員御指摘のとおりでございます。

 今、イラクに展開している海兵隊の方々が帰ってくる、全部かどうかわかりませんが、帰ってきたり、また出ていったりするのかもしれません。その際に、沖縄に来ないで本国の方に戻ってもらったらどうかという御意見が沖縄にあるということも、私も承知をしているところであります。そういう意見を私なりに耳にした、把握した上で、先般の2プラス2におきましても、私は、ヘリコプターの事故という言葉を使いまして、沖縄の県民の負担が具体的にこういう形であるんだということは申し上げたところでございます。

 したがって、では、どうするのかということになるわけであります。いろいろな対応が考えられます。今、私どもは、基本的には、市街地にある普天間飛行場の周辺の住民の方々の不安を解消することが本当に大切なことだと思っておりますので、平成十一年の閣議決定に従いまして、沖縄県等の地元公共団体と十分協議を行いながら、早くこの移設、返還に向けて取り組む。辺野古という方法が一つあるわけであります。これとても、今、いろいろな状況からおくれているということもよくわかっております。

 いろいろな可能性を今後具体に検討していくわけでございまして、私ども、SACOはSACOとして粛々と進めていく必要があろうとは思っております。なぜならば、SACOの中には、施設の返還でありますとか、あるいは騒音対策をかくかくしかじかやりますとか、いろいろなことが書いてありますので、それらはやはりきちんとやっていくということが必要だろうと思います。

 今回の施設・区域の見直しとこのSACOがどういう関係に立つのかというのが多分御質問の趣旨なのかと思うのでありますが、それはどこかで接点が出てくるかもしれない、こうは思っております。こうは思っておりますが、今直ちにそれがこういう形でということを具体に申し上げるほど議論が煮詰まっていない。今後こうしたことを、きょう委員の御指摘のあったことも踏まえながら取り組んで、議論を深めていきたい、かように考えているところでございます。

○白保委員 認識の問題で少し整理したいと思いますけれども、先般の予算委員会で申し上げた際に、知事は当初、アメリカから来た議会の代表の皆さん方とお会いしないというお話でしたが、総領事館で向こうの代表の方とお会いしました、私は朝のニュースで聞いたんですよということでお話ししましたら、まだ把握をしていらっしゃらなかった。後に北米局長においでいただいて、そのことを確認したわけです。

 やはり普天間の問題も、これはもう危険の除去の問題が一つなんですね。嘉手納の問題も出ました。辺野古の問題、地位協定の問題、この四つの問題について知事が取り上げた。そこで初めて、普天間から海兵隊に移転してもらいたい、こういう話に言及をされたということで、そういう話が初めてだということでニュースになったわけです。

 その際に、県が具体的に提案していったのは何かといえば、一九九九年の普天間飛行場の移設に係る政府方針の閣議決定があるわけです。その中で、国際情勢の変化に対応して、沖縄の米軍の兵力構成などの軍事態勢について米国政府と協議していく、こういう一項目の認識は、そういうことであるならば、政府も当然この閣議決定の国際情勢の変化に該当するというふうな認識を持っているんじゃないか、沖縄県としてはそういうふうな認識を持っているということで、知事としては初めて、移転をしてもらいたいと。

 ただ、先ほど外務大臣がおっしゃったように、確たる代替案のない中で、SACOは全く関係ありませんという話じゃありませんよ。その上でこの話が出てきたわけです。

 したがって、この県の認識を政府はどのように考えられるのか、そこをお聞きしたいと思う。

○町村国務大臣 その後、知事の米連邦議会委員会委員への説明の内容を私も承知いたしました。資料もいただきました。

 政府といたしましては、抑止力を維持しながら、沖縄等地元の過重な負担軽減を図る観点から今後協議を進めるということを繰り返し申しておりますが、そのことも先般の2プラス2で申し上げたところであります。したがって、知事の言われたことも、いろいろな議論の過程の中の一つとして、さまざまな可能性を追求するという観点から、今後の議論の中で取り上げられることは、私は排除はいたしません。ただ、今の時点でどうかと言われますと、日米間で何ら決まっていないという状況にあるということは、累次申し上げているところでございます。

 確かに、海兵隊、全世界に展開をし、いるわけでございますけれども、沖縄の海兵隊の、例えば海兵隊員の数が沖縄にどのくらい必要なのかということは、やはり日米間でも当然議論の対象になってくるであろう。そういう意味で、この知事のお考えというものは私どもも率直に受けとめなければならない、こう思っております。

○白保委員 さて、2プラス2ですが、最後にお伺いしますけれども、今回の協議で確認され、また日米が今後の防衛協力で掲げるものとして、共通戦略目標というものは、北朝鮮問題や台湾海峡問題など従来からある日本周辺の不安定要因に加えて、テロや大量破壊兵器など新たな脅威を念頭に、国際社会での民主主義など基本的価値の推進に向けて世界規模での協力に踏み出そうとすることが大きな特徴だということがまず一点、確認します。私の言っていることですよ、確認します。

 二つ目は、このことは一方で、極東の平和と安全の維持を目的とする日米安全保障条約の枠組みを変える可能性をはらんでいるのではないか。日本の安全確保というのは、独自の防衛力と日米安保を基軸に、世界の安定にイラクやアフガニスタンなどの情勢支援という形で個別に貢献してきた従来の政策から踏み出す、政策の転換につながる可能性があるのではないかというのが二つ目。

 三つ目は、従来の政策の延長線上とするのか、それとも、日本は新たな道を歩み出そうとしているのか。

 こういう三つの素朴な疑問が国民の中にあるんです。2プラス2の協議を終えて、こういう三つの素朴な疑問が出てきた。これに対しては十分な説明が必要になってくるんだろうということで、時間もありませんが、この辺のことについての御見解を、私が今申し上げましたことについての御答弁をいただきたいなと思います。

○町村国務大臣 ちょっと一点目、何でございましたか。ちょっと今、済みません。(白保委員「国際規模での協力に踏み出そうとしているのではないですか」と呼ぶ)わかりました。

 まず、今回の共同発表の認識でございますけれども、一九九〇年の湾岸戦争以降、日本がこれまで歩んできた道というものは、一つには、平和協力法に基づく各地への日本の自衛隊員の派遣。それから、アフガン、イラク、これはいわば安全保障条約とは別のジャンル、別のジャンルの国際活動ということに私どもが方針を出した。そういう意味で、日本とアメリカが、そういういろいろな分野、安保以外の分野での世界の平和と安定のために協力する局面がふえてきた。そのことについてアメリカは大変評価をしておりますし、我々もそういう判断でこれまでやってきたということについては、過去十数年の活動を振り返ったときに、今後そういう活動が広がっていくだろうということは言えると思います。

 ただし、その際に、では日米安保との関係がどうなのか、もっと言うと極東条項がどうなってしまうのかというような端的な御質問はあるわけでございますが、私どもはそこを別に今変えようと思っているわけではございません。安保条約は安保条約として、それに基づいた平和の維持という一つの目的があるわけでございます。それは変わっておりません。

 ただ、それを超える部分でこれまで積極的にやってきたし、これからもまたそういう活動をしていこうということが必要であろうということでございまして、そのような観点から今回のこの共同発表ができたんだということでございます。

○白保委員 まだ十分な説明かどうか、私は疑問ですけれども、時間が参りましたので、終わります。