国 会 質 問
平成16年10月27日
衆議院 農林水産委員会


 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 農林水産関係の基本施策に関する件


○白保委員 まず、自然災害の対策について、その取り組みについてお伺いいたします。

 本年は十個もの台風が日本に上陸し、各県に連続して多大な被害をもたらしました。やっと台風が一息ついた先週末、今度は強い地震が新潟県を中心に発生しました。これらの災害で亡くなられた方、けがをされた方、家や財産をなくされた方が多数いらっしゃいます。心よりお見舞いを申し上げます。

 さて、大臣もあいさつの中で、豪雨、台風、噴火、地震についての対策に触れておられましたが、一層の取り組みをまずお願いしたい、このように思います。

 昨日も、私ども部会をやっておりまして農水省の取り組み等をお伺いしましたが、備蓄食料を出動させて対応しておられると。大変農水省もフル回転で頑張っておる、こういうことをお聞きしておりまして、まず敬意を表したいと思います。

 さて、台風について伺いますが、台風は地震と違って、最近では予報円ができて常に進路とか予想されますから、ある意味ではその対策等をとることもできるんですが、ただ、思ったよりも大きい台風が来ますと、これはまた人的被害があったり、あるいはまた家屋や道路、農作物にも甚大な被害が出るわけであります。先週の台風二十三号の場合も大雨をもたらして、収穫半ばの水稲の冠水やハウスの倒壊、野菜の浸水、冠水、果樹の落果など、深刻な被害が全国に今出ております。また、私の地元の方もかなり被害情報が寄せられております。

 私の地元に久米島町というのがあって、一つの島です。その島はサトウキビやいろいろなことをやっています。そういう中で、サトウキビについては先般の委員会で価格決定の問題についてもお伺いしたわけですが、このサトウキビがこれから、十二月から一月、二月、三月、収穫期に入るわけです。そういう時期に台風が来ますと、これからもう最後の伸びがやってくる、糖度も高まっていく、そういう状況の中で物すごい風が吹いてくる、折れたりなんかしたものは大変少ないものでありますが、時間が長く強風にさらされてまいりますと、葉っぱが裂傷、傷がついて裂けたりする。

 そういうことがあって、前回の台風、二十一号、二十三号、両方合わせると、これは小さい島ですけれども、島の北と西側で葉っぱがもうほとんどなくなってしまって、これから生育の最後という状況の中で非常に厳しい状況になっている。したがって、増収につながる生育が今後見込めないな、こういうふうに農家の皆さん方は非常に心配されておられるわけですね。

 また、彼岸出荷の植えつけを行っていた電照菊、こういったものもありますけれども、そういったものも大きな被害が出てしまった、停電してしまうと電照菊はもうだめですから。停電や、またかん水が機能しなくて、次の収穫が見込めない。あるいは、インゲンやゴーヤーというものもつくって本土へ出しているわけですけれども、これらも見込めない。小さい島で一億近い被害を出しますと、農家の皆さん方は大変なパンチを受けて厳しい状況に立たされています。

 そういった意味では、ひとつ沖縄に限らず、それぞれの地域で、農家の皆さん方が一生懸命育ててきた農作物というのがかなりの被害に遭っておりますので、それぞれの地方の公共団体の情報をしっかりと把握していただいて、そして即座に対応していかなきゃならない、こういうことじゃないかと思いますが、大臣の御所見をまず最初に伺いたいと思います。

○島村国務大臣 ただいまも御指摘がありましたけれども、ことしは異常なまでの台風の連続襲来ということでありまして、七月の梅雨前線の豪雨以来、台風が実は十回も上陸をしている。何か、台風がどういうふうに進路をたどるか、情報を見ておりまして、いつも思ったことですが、ことしはこのまま中国の方に抜けるのか、韓国の方に抜けるのかと思っていると、どういうのか、直角に曲がって日本の本土を縦断するような台風が多い。他国へ抜ければいいということではなくて、私はその都度感じたことでありますが、沖縄がいつもその玄関口になって毎回の襲来、本当にやる気を失わないで欲しいな、政治家としてそんなことを実は感じておったところであります。

 そういう意味で、ことしも、御指摘がありましたように、農作物はもとよりですが、農地、農業用施設、林地、林道、漁港等へ多大な被害を受けまして、現在時点で五千七百億というのが試算されておりますが、これもまたかなりふえてくると予測されるところです。

 これに加えまして、先般新潟県の中越地震が起きました。これまた農地、農業用施設の損壊あるいは林地荒廃が多数発生しているとの報告があるところでありまして、これらの被害に対する正確な調査はなお時間を要しますけれども、私たちは少なくも、これらについて、この地域の方が犠牲者ということでなくて、たまたま被害を受けたけれども、再びやる気を起こして頑張っていただく。この中に日本の歴史が築かれているわけでありますから、我々は、その歴史の担い手、地域の担い手に温かい政治の配慮が行き届くような努力をしていきたい、こう思うわけであります。

 そういう意味で、これからは具体的な支援策といたしまして、災害復旧事業の早期の実施、それから共済金の早期支払い、また加えて低利資金の円滑な融通等、いわば今回の地震あるいは台風の被害者に対して、我々は最善を尽くしてこれらに取り組んでいこう、こんなふうに考えているところであります。

○白保委員 島々に住む人たちは農業、漁業、そういったことで生計を立てていますね。農業の方を今申し上げましたが、水産業も非常に大変なんです。

 先般の台風で、私も先日の日曜日にずっと島回りをしてまいりました。座間味村という村がありますが、幾つかの島で成り立っている村です。その中には阿嘉という漁港があります。その漁港へ行きましたら、せっかくきっちりとした防波堤をつくって漁港もつくってあった。何百トンというものが、つなぎ合わせてありますから、これがもうみんなひっくり返るぐらいに離れていまして、ウエルカム・トゥー阿嘉と書いてあるんですが、文字が書いてあってもMとEの間が何メートルも離れるぐらい、そういう状況になっています。

 したがって、こういう状況のことについてもしっかりと取り組んでもらわなきゃいけませんし、先ほどの久米島ですが、あそこはクルマエビをやっておりますけれども、二百万匹が飛んでいってしまった、これだけで一億だ、こういうふうに言われている。農業で一億、漁業で一億、もう大変なんです、水産業で。これは、そういう面では水産業の方もあわせて、ぜひ対応をしていかなきゃならないんじゃないか。大臣、いかがでしょう、御所見。

○島村国務大臣 まさに想像を絶する被害状況だと思いますし、実はそのことを痛感したのが、この間の三位一体改革の官邸の会議で稲嶺さんとお会いしまして、前に座っているので大きな声は出しませんでしたけれども、憔悴し切った彼の顔を見たときには本当に同情を禁じ得ませんでした。

 私は、別にそういうことに驚くということではなくて、やはり政治家ですから、前向きに取り組んで、結果で、何かを目標にしなければいけない、こういう思いを新たにしたところであります。

○白保委員 そこで、次の問題に関連してまいりますが、昨日も本会議で大臣も御答弁になりましたが、こういう状況を受けて野菜価格の高騰、価格安定対策、私どもの石田議員が質問をしておりましたけれども、非常に台風や長雨で野菜の産地に打撃を与えております。作物の冠水被害によって野菜の生育不良や収量、品質低下、こういったものを避けることができずに、市場に出荷される野菜数量の低下が、随分下がってきている状況にあるわけでありまして、合わせて野菜は高騰をしていく、こういう状況で消費者への影響も大きなものが出たわけですね。

 そういった場合に、昨年まで農水省は緊急野菜供給対策によって、契約栽培の野菜を放出させたり、あるいは緊急輸入を行って価格を沈静化させる、こういうことをやっておったわけですが、二〇〇三年十月にこの対策事業の実施主体である野菜供給安定基金が農畜産業振興機構に統合され、対策というものはなくなってしまった。

 したがって、今農水省が打てる手というのは、まず生産者団体に早出し出荷の要請をするということが一つ、二つ目が規格外品の出荷の指導をしていくということ、三つ目が生育の早い軟弱野菜の生産奨励などに限られている。この三つに、今手を打つとするならば限られている、こういうふうに言われているわけですが、実際にいろいろ町で聞いてみますと、奥さん方も、レタスがもう六倍だとか十倍だとか、そういう声を聞くわけですね。したがって、こういう中で輸入業者に非常に注文が殺到をしている。そうすると、また輸入が拡大になってまいりますね。

 そういう面から考えると、こういう状況の中で農水省としていかなる需給調整を図るのか、さっき申し上げた三つの問題と、ほかに方法があるのか、その辺を大臣に伺いたいと思います。

○白須政府参考人 ただいまの委員の御指摘でございます。

 レタスを中心とする葉物につきましては大変高い水準になっておりまして、消費者の家計にも大変大きな影響、お話しのとおりでございます。ただ、現在、先週来の台風もあれしまして、天候も徐々に回復をいたしてきておりまして、キュウリなり、そういったものは太陽が出てきますとそれなりの出荷の促進も図られておりまして、徐々に出荷量も増加をいたしてきているわけでございます。したがいまして、きのうきょう、市場を見ましても、野菜価格も低下しつつあるわけでございます。ただ、委員もお話しのとおり、そうはいっても、出荷量が平年水準に回復するにはやはりさらに時間がかかる、お話しのとおりかというふうに思っております。

 そこで、委員も御指摘ございましたが、これまで野菜供給基金がキャベツなんかを契約しまして、それで高騰時に売り渡すとか、あるいは基金が緊急輸入をするというふうなことも実は過去にはやっておったわけで、お話しのとおりでございます。ただ、これはやはり費用対効果というふうな観点から見ましても、なかなか毎年、そういうことがない場合にはむだに費用を使うだけだというふうな御指摘もあり、あるいはまた輸入にいたしましても、これは、お話しのとおり、国が直接やるというよりは民間ベースで輸入も実はどんどんふえてきておるというふうな実態もございます。

 私どもとしましては、ただいま委員も御指摘ございましたが、出荷の前倒しなり、あるいはビニールの被覆等々で温度管理をしまして生育を促進する、あるいはまた曲がったキュウリとかそういうふうなふぞろいな、通常は出荷されない野菜をできるだけ市場に出していただくということをできるだけ促進するというふうなことを行っているわけでございます。

 さらに加えまして、出荷団体につきましても、出荷をできるだけ確保していただく、促進していただく。ですから、できるだけ早めに次の産地のものが出荷いただくように、リレー出荷といいますか、そういうものも行ってまいる。あるいはまた、消費者の方々にもできるだけ価格の動向の情報を提供するといったいろいろな、さまざまな努力を講じておりまして、そういうことでできるだけ国産の野菜を市場に出す努力というものを続けてまいりたい。そういうことによりまして価格の安定を図ってまいりたいということでございますので、ひとつよろしくお願いをいたしたいと思います。

○白保委員 まさにそのとおりで、消費者は大変困っております。また、農家の皆さん方もお困りなんですが、消費者の方も大変ですから、しっかりとした対応、対策を打っていただきたいというふうに思います。

 そこで、大臣も都市農業に関係があるんだと思いますが、都市農業というのは、かつて人口の一極集中で急激に宅地化が進められて、荒廃の危機にさらされてまいりました。しかし、近年、都市住民の新鮮で安全、安心な農作物を食べたいとか、安らぎをもたらす自然環境を保全したいだとか、地産地消とか、そういう要請で再び光が当たってきつつあります。東京などを中心とした都市及びその周辺の市街化区域や、さらにその周辺の市街化調整区域でいわゆる都市農業が展開されているわけですが、税制を初めとした農地の確保と保全のための制度改善が都市農業振興の課題ではないか、こういうふうに思います。

 食料・農業・農村基本法三十六条で、「国は、」「都市住民の需要に即した農業生産の振興を図るために必要な施策を講ずるものとする。」こういうふうにありますが、都市農業振興の責務は私は国にあると思います。したがって、どういう取り組みを、先ほど課題も申し上げましたが、都市農業振興の国の取り組みについて伺いたいと思います。

○島村国務大臣 お答えいたします。

 御理解いただいて大変ありがたく思いますが、都市農業というのは意外と侮れません。例えば私どもでは、キャベツ日本一、セロリ日本一などと思われておりまして、かなり熱心な研究をしていわばその成果を生んでいるところでありますし、割と皆さんに知られているコマツナなども私どもの地場産業でございます。そういうことも考えまして、都市農業がまさにできたての新鮮な野菜を都市部に供給する。現在のように非常に食の内容の前進を見ますときに、非常に人気が高いことをつぶさに拝見しているところであります。

 そして同時に、コンクリートジャングルといいましょうか、そういう中にいて、目に見えない精神的な切迫感というのはありますから、こうした地に、いわば都市に緑の空間があるというのは非常な安らぎになります。そして同時に、農業に対する理解を深めるための市民農園等もかなり最近活発化して、特に子供さんの教育に非常に大きな効果を上げています。

 そういうことから、これからもいわば都市住民の触れ合いの場であり、かつ農業に対する理解と、そして感謝の気持ちもついでに持っていただく意味からしても、市民農園等をさらに整備していく必要があろうと思いますし、また、ボランティアによる農作業の支援、これも最近高齢化が特に地方で進んでおりますから、そういうことに対しても道を開いていくというのが我々のとるべき道、こう考えております。

○白保委員 この問題は、先ほど申し上げましたように幾つかの課題がございますので、改めて議論をしたいな、こう思っております。

 最後に、時間ももうありませんので、先般、桜島の方からの要請がございました。火山対策、これも我が国にとっては非常に重要なことでございまして、降灰、いわゆる灰が降ってくる、そしてまた火山ガス、そうしたことでもって農作物の被害とか、そういったものもございます。

 そこで、火山対策の中で、次期防災営農施設整備計画、今までは現行の活動火山周辺地域防災営農対策事業というのが実施されておったわけですが、次期防災営農施設整備計画に基づく平成十七年度事業枠確保が必要ではないかという要請等もございました。このことが一つと、もう一つは漁業について、軽石や何かがあって、漁業においても大きな影響を与えているようでございますので、それらについても効果的な取り組み、国の支援が必要だろうと思いますが、それについての御答弁をいただきたいと思います。

○大口大臣政務官 今委員から、防災営農対策について御質問いただきました。

 鹿児島また宮崎と、被害も、私も静岡県ですので、降灰によってお茶が被害を受ける。葉たばこ、あるいは温州ミカン、菊、タカナ、こういう被害を見ておりまして、活動がまだ桜島は続いておりますので、平成十六年度までの施策とともに、平成十七年度の次期の計画につきましては、これは鹿児島県と宮崎県で次期の計画の策定を今検討している、このように承知しておるわけでございますので、今後とも両県と密接な連携をとりまして、引き続き被害農業者の経営安定と地域の農業の健全な発展が図られるよう努めてまいりたい、こういうふうに決意をしております。

○田原政府参考人 水産の関係につきましてお答えいたします。

 黒神川から周辺水域に軽石が流出して漁業者の方々が迷惑をこうむっておられるということで、昭和五十九年度からでございますけれども、軽石の除去の事業、これに対します助成ということを行っております。鹿児島市等々の関係市町村に対する助成ということでございまして、漁場環境保全創造推進事業、これは我々、十九年度までは行いたいという予算のスキームになっておりますので、今後とも要望等を踏まえながら適切に対応してまいりたい、かように考えている次第でございます。

○白保委員 終わります。