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○白保委員 委員長初め理事の皆さん、質問者の皆さんの御協力をいただいて、質問の順番を一番最後にしていただきましてありがとうございました。
私は、WTOの問題、あるいはまたBSEの問題、そしてまた農作物の台風被害の問題等を含めて、順次質問をしていきたいと思います。
初めに、WTOの農業交渉についてお伺いをしていきたいと思いますが、WTOは一日、一般理事会で、農業分野を含めた新ラウンドの枠組み合意を採択して閉幕をいたしました。陣頭に立たれて頑張られた亀井大臣を初め政府関係者の皆さんには大変に御苦労さまでございました。
今回の農業分野では、日本が反対をした上限関税の設定が先送りされて、低関税輸入枠の義務的拡大を避けるための足がかりを確保できたということだと思います。しかしまた、合意が優先された結果として、不明確な部分等も多く残されており、今後再び激しい交渉をすることが予想されると聞いておりますし、また私もそのように思います。今後、我が国農政が国際化に対応できるよう大胆な構造改革や十分な財源確保に取り組むことは最重要の課題である、このように思うわけでございます。
その上で、まず一点、質問を申し上げますが、今回の交渉で我が国は、ドーハ閣僚宣言により盛り込まれた多様な農業の共存を確立するという観点を前面に打ち出している。ところで、これまで基本方針としてやってまいりました多面的機能の重視の問題、あるいは国内保護政策の維持、これは、今後の具体的交渉の中でこれをきっちりと理解させていかなきゃならない問題だろうと思いますが、大きな課題であろうと思います。やはり多面的な機能の問題というのは非常に大きな課題であろう、こう思います。したがいまして、この点について、大臣のお考えを伺いたいと思います。
○亀井国務大臣 国土の保全とかあるいはまた水源涵養、景観保全等、農業の多面的機能につきましては、一九九八年のOECDの農業大臣コミュニケ、これにその役割が認められ、また国際的にも既に一定の理解を得ておるわけでもございます。
今回のWTO農業交渉におきましても、多様な農業の共存、これを基本理念として、農業の多面的機能への配慮、また食料安全保障の確保、こういうことを我が国といたしましても提案して、またいろいろの関係におきましても、国境措置における柔軟性の確保あるいは継続的な農政の改革、こういうことを可能とする国内支持のルールの確立に向けて努力をしてきたわけでもございます。また、今後とも、交渉やあるいは国際的な議論の場を通じまして一層の理解が得られるよう努力をする考えであります。
また、今回のこの枠組み合意の中におきましても、多面的機能への配慮、また非貿易的関心事項への配慮、このことにつきましては、この必要性が明記をされておるわけでありまして、その辺はやはり今後の問題、やはりここにしっかり記されているということは大きなことではなかろうか、このように思っております。
○白保委員 それで、今回の枠組み合意から具体的な関税引き下げの仕組みや幅などを決める今後の交渉の中で、これは、交渉では数字を示した交渉になり、かなり激しい交渉になるんだろう、こう思うわけでありまして、我が国は、食料輸入国のスイス、ノルウェー、韓国などと結束を固めて、同時に、発言力の増しているブラジル、インドなどの途上国の支持を得る必要があるんだろう、こう思います。
そのために、これからの外交交渉の問題ですが、どのようなことを具体的に取り組みとして考えておられるのか。非常に重要な今後のテーマだと思います。これをお伺いしたいと思います。
○伊藤政府参考人 お答えいたします。
近年、WTO交渉におきましては、御案内のとおり、WTO加盟国の三分の二を占めます途上国、こういった国々が、例えばインド、ブラジル等はG20というグループをつくりまして、またインドネシアを初めとする特別品目を重視するグループはG33、あるいはアフリカ諸国はG90というような、そういうグループをつくって大変発言力を増大させているという実態がございます。今回の枠組み合意交渉におきましても、これらの国々の発言力はやはり大きかったというふうに感じております。
そういう中で我が国としましては、その中心的な存在でありますインド、ブラジル等につきましてさまざまなレベルで協議を重ねまして、例えば、貿易歪曲的な国内支援の大幅削減、あるいは輸出補助金の撤廃期限の設定、それから市場アクセスにおける各国間で異なる関税構造、こういったものの柔軟性を確保するといったようなこと、こういったことにつきまして、これらの国々と協議をして、我が国を含むG10と協調し得る点も見出したというような経過もございます。
今お話がありましたように、今後枠組み合意に基づきましてモダリティー交渉というのが始まりますので、今後、我が国の主張をきちんと反映したルールを確保していくというためには、G10の結束ということももちろん大事でありますのでそれをやっていきますけれども、これら途上国との連携というのが一層重要になるというふうに考えておりますので、今後とも働きかけを強めてまいりたいというふうに考えております。
○白保委員 それで、報道やまた皆さんの声もありますが、終わったばかりでなんですけれども、早いうちにしっかりとした基礎固めをしていく必要があるだろう、こういうような報道等もあり、またみんなもそのような考え方を持っている。
ただ、アメリカなんかの政治日程とかいろいろなものがあってなかなか難しい部分もあろうかと思いますが、今のことで、具体的にいつごろからいろいろなことをどういうふうな日程的な感じで来年の十二月に向けてやっていこうと考えておられるのか、そのことのスケジュール等についてもお伺いしておきたいと思います。
○伊藤政府参考人 当面決まっておりますスケジュールとしましては、今お話がありましたように、来年の十二月に香港での閣僚会議というものが設定されております。ただ、詳細な日程としてはまだ決まっておりませんので、香港での閣僚会議でどのような議論までいくのか、まだはっきりしておりませんけれども、これから我が国としましては、香港の閣僚会議に向けまして、今御指摘のあったようないろいろな働きかけの戦略とかそういうものをもう一度構築し直して、強力な外交を推進していきたいというふうに思ってございます。
○白保委員 農産物の関税引き下げ方式では、高関税ほど引き下げる効果を持つ階層方式、これが採用されたわけでありますが、これは、重要品目に適用する低輸入関税枠の扱いについて拡大を義務づけるか、義務づけないか、この辺も少しあいまいな部分があるんじゃないか。日本政府は、我が国は、義務的拡大はない、このように解釈している、輸出国は、義務的に拡大すると主張をしているようです。今後この問題については大きく懸念される部分ではないか、こう思っております。
ところで、低関税枠はあくまで機会の提供であって、最低輸入義務枠ではない、実際の輸入が枠を下回ることはあり得る、このような指摘もあるわけでありますが、我が国が義務的拡大はないとするこの根拠、これについて伺いたいと思います。
○伊藤政府参考人 今回の枠組み合意におきましては、今御指摘のようないわゆる階層方式という関税削減方式が採用されております。しかし、その一方で、センシティブ品目につきましては全く別の扱いということが明確に位置づけられておりまして、このセンシティブ品目につきましては階層方式の枠外というふうに理解をしております。
このセンシティブ品目につきましては、関税削減と関税割り当て約束の組み合わせによって市場アクセス改善を図るというふうにされておりますけれども、また同時に、その中で、センシティブ品目への配慮があって初めて最終的な交渉のバランスが達成されるといったようなこと等が記述されております。今後の交渉の中で、こういう記述のもとに、品目の事情によって一律な関税割り当ての拡大というものが求められないような交渉をしていける余地が、基盤が確保できたというふうに考えております。
今後とも、G10等、こういったセンシティブ品目に関心の強い国と連携しまして、こういう柔軟性について十分配慮された貿易ルールが確立されるよう交渉してまいりたいというふうに考えております。
○白保委員 次に、BSEに関連してお伺いしたいと思いますが、ここのところ、先ほどもそうですが、私どももいろいろと説明を受けていたりしておるわけですが、なかなか、先ほどから質問も出ております、その中で、昨年のクリスマスイブ以来、輸入禁止措置がとられて今日に至っておるわけですけれども、外食産業なども非常に厳しい状況にさらされておることも事実です。
ただ、確認をしておきたいと思いますが、新聞紙上で、輸入再開に向けて農水、厚労省が最終調整、今秋合意を目指すとまことしやかに流されています。これは、我々が、ここ二、三年食の安全をめぐる努力を随分とやってきた、そういった中で、国民の納得がどうなのかということもあるわけでございますから、そういう面では、この新聞の問題については皆さん方はどのように受けとめておられるのか、それについてまずお伺いしたい。
○中川政府参考人 日米の牛肉貿易にかかわります協議につきましては、四月に日米の局長級協議を開きまして、そこで日米の専門家、実務の担当者から成りますワーキンググループを設置して、BSEの専門的、技術的な事項について協議を進める旨の合意がなされたところでございまして、このワーキンググループにつきましては、三回の会合を経て先般、報告書が取りまとめられた、こういう事実がございます。
他方、この間、輸入再開につきまして何か方針が合意されたといった趣旨の報道が一部に見られましたけれども、今申し上げましたように、日米のワーキンググループの仕事といいますのは、あくまでも専門的、技術的な観点から科学的な知見などを整理する、そういうことの場でございます。具体的な輸入再開の条件等について協議を行ったということではございません。それは事実ではないということでございます。
○白保委員 ですから、わかりますよ、全部、どういうことをやったかというのはちゃんとわかりますし、そのことについて一つ一つお伺いしていく必要もあろうかと思いますが、時間の関係があってこれは聞けませんが、それにしても、ブッシュの、アメリカ大統領選挙があるからその前に解決した方がいいんじゃないかなんという記事まで出ているような、そういう状況ですから、あえてお聞きをしたわけであります。
日本が全頭検査の限界を認めて、異常プリオンは危険部位に一定以上蓄積されないと検出されない、検査対象の月齢を限定するのか、すべての牛の危険部位を除去するのか、さまざまな意見があるわけですが、我が国は、まず食品安全委員会の検討結果をきっちりと待っていくことが大事だと思います。同委員会が科学的知見に基づき出した結論を広く国民と消費者に提示し、納得を得られる対策をとらなければ、これは、食の安全、安心は不安、不信になってしまう、そういうおそれがあるわけでありまして、今後の取り組みについての考え方とスケジュールについてお伺いをしておきたいと思います。
○中川政府参考人 本年四月の局長級協議におきまして、牛肉の貿易問題につきましては、本年夏をめどに結論を得るように努力をするということが決まっておりますけれども、他方、国内のBSE対策全般については、今先生がおっしゃいましたように、現在、食品安全委員会で議論が行われているということでございます。アメリカとの牛肉貿易の再開の基本的な考え方は、先ほどから申し上げておりますが、日本で現在とっている措置と同等の措置を求めていくということでありますが、他方におきまして、食品安全委員会で今日本のBSE対策全般について検証が行われておりますけれども、まだ明確な方向が出ていないという状況でございます。
この間の食品安全委員会におきます議論につきまして、国民、消費者の方々とのリスクコミュニケーションもこれから大事でございますし、そういった議論の帰趨について、私どもリスク管理官庁としては、それを見守っている、そういう状況にございます。
○白保委員 時間があればじっくりとこのことについてもお伺いしたいと思っておりましたが、時間が余りありませんので先に進めていきたいと思います。
ことし、大変厳しい環境、気象条件があって、台風被害や水害に遭われた皆さん方が多くおられます。亡くなられた方の御冥福をお祈りしますと同時に、被害に遭われた皆さん方の早い復旧を祈りたい、こう思っております。
私も台風常襲地に住んでおりますから、常に台風で農作物がやられます。農業、あるいは漁業もそうです、林業もそうですが、こういったものは非常に気象条件によって随分と左右される、そういうものでありまして、台風などは本当に作物を全滅させてしまうというような、そういう状況にあるわけでございます。
さきに発生しました集中豪雨の被害等についても、私どもも対策本部を立てて、政府の方にも要請を行ったり等しておるわけでございますが、これは今回、農作物の被害、大変大きなものがあり、また、だんだんふえていっているような状況にあろうか、こう思います。
現在のところでどれぐらいの被害額が出ておるのか、まず簡単に教えてください。
○須賀田政府参考人 七月の梅雨前線豪雨災害でございます。水稲、大豆、野菜といった農作物被害、これは五十億円を超える報告を受けております。このほかにも、農地、農業用施設、これが九千三百カ所に及んでおります。それから、林地荒廃、林道の損壊、これが約三千四百カ所でございまして、現時点では合わせて約六百億円近い被害という報告を受けております。
特に農作物被害が広がった理由でございます。先生御承知のように、河川の損壊がございましたので、土砂がだっと流入をしたということと、冠水の期間が長く、かつ広範囲だった、こういうことによるというふうに考えております。
○白保委員 そこで、時間がありませんから申し上げたいと思いますが、こういう被害に遭った人たちですね、その後の技術指導だとか対応、そういったことについてはどのように農水省では行っておるのか、お伺いしたいと思います。
○白須政府参考人 ただいまお話しのとおり、大変大きな被害が発生したわけでございます。そこで、私ども、被災直後の七月十四日付で、北陸農政局の方から、農作物被害に対します技術指導というふうなことで新潟、福井両県を含みます各県に発出をいたしまして、具体的な指導といたしましては、ただいまもお話ございましたが、土砂が流入をいたしました圃場におけるまずは土砂の除去あるいは用排水路の確保でございますとか、あるいは冠水をいたしました圃場におけます速やかな排水、また白葉枯れ病といったような病害虫の発生というものが懸念されることでございますので、そういう防除の徹底というふうなこと、あるいはまた肥培管理等々につきまして万全を期するということで通達はもちろん発したわけでございます。
ただ、いずれにしても、これは、もう委員も御指摘のとおりで、現場の実態に精通をいたしております県の農業改良普及センターといったところがやはり一番現地での内容をよく承知しておられますので、そこら辺を通じましてきめ細かに現地での実際の指導につきましてお願いをしている、それによりまして具体的な指導が行われておるというふうに承知をいたしている次第でございます。
○白保委員 時間が参りましたので終わりたいと思いますが、台風被害、そしてまた自然現象によるところの被害というのは、農家が来年度また生産ができる、再生産可能な状況というものを農家にはやっていってもらわなきゃいけない、そういうことも考えますと、先ほども答弁がありましたが、きめ細かい対応策をしっかりと打っていただいて、被害が拡大しないように、ぜひともお願いしたいと要請をして終わりたいと思います。
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