国 会 質 問

平成16年06月01日
衆議院 農林水産委員会


政府参考人出頭要求に関する件
競馬法の一部を改正する法律案


○白保委員 けさからの競馬法の改正議論を聞いておりました。大変競馬に詳しい方の議論もありましたし、そうでない方の議論もあったようですが、私はそうでないところの立場でございますけれども、そういった中で整理をしながら、短い時間ですからお聞きをしていきたいと思います。

 中央競馬会で行う中央競馬と、それから都道府県や市町村が開催する地方競馬に分かれている、こういう二つがあるわけですが、これは諸外国にはない日本の特徴なんだそうであります。

 それぞれの起源を尋ねていくと、中央競馬は、文久二年、一八六二年に横浜の居留外国人が始めた洋式競馬が発端だ、こういうふうに言われています。戦前の政府は軍馬の改良増殖のためにこれを公認して、一九四八年からは政府みずからが国営競馬として開催した、こういうふうに言われています。一方、地方競馬は、古くからの全国各地の神社の祭典で奉納された神事が起源だ、こういうふうに言われています。こういうことから、中央競馬が、畜産振興やスポーツとしての競馬という観点がルーツにあり、また地方競馬というのは、庶民が収穫のお祝いを神様にささげるお祭りの行事がルーツだと今回勉強させていただきました。

 今日、社会情勢が変わってまいりましたから、競馬のイメージというのが随分と変わってきたようであります。かつては、まさにギャンブルにのめり込む、こういうようなイメージもありましたが、今では若い人や女性も参加をして、いろいろなゲームというふうな感じで受けとめられておる。スポーツ、ゲームというふうに考える人が多くなった、また国民が競馬に求めるものが時代とともに変わってきている、こういうふうに思います。

 そこで、競馬法ですからお伺いしたいと思いますが、大臣にお伺いしますが、我が国の競馬のあるべき姿というものはどういうものなんだろうか、あるいはまた公営ギャンブルである競馬が果たす役割というのは一体何かということを確認をしておきたいと思います。

○亀井国務大臣 今、委員からお話をいただいて、私も最初に子供のときに祖父に連れられて競馬に行ったことを思い出すわけであります。そのとき、小学校に入ったか入らないかだったと思います。そこに行ったとき、今委員からの御指摘のとおり、人がたくさん集まっておりまして、そこでいろいろのおもちゃを買っていただいたりしたことがあります。

 そういうところで、やはり馬と人との古いつき合いというか、そういう中から生き物を相手にした公営競技、そこで馬が走っている、そして人が集まっている、ある面では、先ほど御指摘のお祭りというか、そういうところもあったようにも今思い出し、楽しみの一つであったのではなかろうか、こう思います。

 そういう面で、ぜひ、国家財政、地方財政、あるいはまた畜産振興、あるいはまた娯楽というような、目的がいろいろあるわけでありまして、そういう役割を果たす、そういう点で、やはりこれからも魅力ある競馬というものを育成していくとか、あるいは競馬ファンの関心が集まるようなスターホースが登場する、そういう面での努力、こういうような面で生産現場からの強い馬づくり、こういうようなことが行われて、先ほど申し上げましたとおり、国家財政やあるいは地方財政、そしてさらには生産、増殖また畜産振興、そして娯楽、楽しみ、健全な娯楽、こういうものが提供される場となりますことを、今回の競馬法の改正、こういうものを契機に、それぞれの競馬の主催者等が収支改善等々に努力をしていただき、私どももその支援をしてまいりたい、こういう考え方を持っております。

○白保委員 三十日に中央競馬主催の日本ダービーが行われたわけですね。新聞によりますと、皐月賞は速い馬が勝ち、ダービーは運の強い馬が勝ち、菊花賞は強い馬が勝つ、そしてダービーは比較的かたくおさまる、こんなふうに言われているんだそうです。これは新聞に書いてあるんですよ。私の予想じゃありません、それほど私知りませんので。今回も、一番人気のキングカメハメハが新記録で優勝した。北海道道営のコスモバルクが非常に人気があったわけですけれども、八着に終わってしまった、非常に残念だ、こういうふうなことも言われています。

 そういった中で、中央競馬は、売り上げのピークが平成九年で四兆円、十五年では三兆百三億円に減少した。地方競馬は、平成三年度が売り上げのピークで九千八百六十二億円だったものが、十四年度には四千九百億円、こういうふうになっているわけです。

 地方競馬は、収支悪化で次々と事業を廃止しておりますが、高知競馬、これはハルウララの人気で、昨年度は九千万円黒字を出したとも言われております。地方競馬もスターが出ればそれなりに売り上げを伸ばすことができるのかな、こういうふうに思うわけですけれども、しかし、経営規模が脆弱ですから、高いコストを背負って経営的にはほとんど成り立たない、そういう状況というものが続いているようであります。

 こういうことを事業収支を改善しようとして、最近は交流が盛んになってきたわけですけれども、交流が盛んになっていく、中央、地方双方の施設でお互いの馬券を買うことが可能になって、地方の馬券が買いやすくなる、こういう状況になると思います。

 そこでお伺いしますが、連携と交流でメリットがあるのであれば、先ほども議論がありましたが、中央、地方の一元化を議論していってもいいんじゃないか。そもそも中央競馬と地方競馬の両方が存続する、歴史的なルーツは違うとしても、もうそろそろいいんじゃないか、こういうようなことを考えるんですが、いかがでしょうか。

○白須政府参考人 ただいまの、中央競馬と地方競馬の一元化という御議論でございます。

 委員もお話しのとおり、やはり中央競馬と地方競馬、そもそも施行主体が全く異なるわけでございます。中央競馬は国家財政に大変寄与しておりますし、地方競馬は地方公共団体の財政に寄与しているというふうなことでございますし、委員からもお話ございましたとおり、やはり競馬の成り立ちそのものが異なるわけでございます。そういった経緯を踏まえて共存をしてきたものでございます。

 また、地方の主催者の意向によりましても、中央競馬と地方競馬を一元化するということは難しいというふうに考えておられる主催者も多うございまして、今、地方競馬の収支が委員御指摘のとおり悪化をしておるわけでございます。仮に、そういった悪化しております地方競馬と中央競馬会を一元化するということは、中央競馬会の経営を一層圧迫するということにもなるわけでございまして、これは適切ではないというふうに考えている次第でございます。

 しかしながら、今後の我が国の競馬の発展ということを考えていきます上で、やはり中央競馬と地方競馬との連携、協調は極めて重要だというふうなことでございまして、そんなことで、今回の改正におきましても、中央競馬会と地方競馬主催者の間で馬券の発売あるいは払い戻し、そういった事務の受委託を可能とするというふうなことでございまして、そういったことによりまして、中央、地方双方の売り上げの拡大あるいは収支改善に寄与するというふうに考えております。また、その結果、競馬ファンへの利便性も改善されるというふうに考えている次第でございます。

○白保委員 地方競馬のブロック化の問題について伺いたいと思いますが、今回の改正案では、複数の地方競馬主催者で、事業収支の改善を図るために地方競馬のブロック化を促進するものとしています。各ブロックが収支改善に向けて競馬連携計画を策定して、農水省の査定をクリアすれば、大臣の認定が与えられて助成金を受けることができる。

 ブロック化で最大の問題となっていくのは、開催規模であると言われております。開催日の振り分けなど難問があり、各主催者では競走馬の供給過剰になるところがあるわけですが、その場合、経営改善を目指す主催者は、競走馬や厩舎関係者のリストラをも敢行しなければならない、こういうことになります。もともと多額の収支赤字を抱えた主催者同士が連携していくのがその実態なんですから、ブロックの中では強力なリーダーシップが求められます。しかし、今回のブロック化促進では、各主催者による法人格のない協議会が設置されることを想定しているとか、地方競馬全国協会がその役割を担うとも聞いています。

 そこで、地方競馬のブロック化で十分なリーダーシップが確立されるべきだと思いますが、具体的にどのような取り組みをしていくのか、これをお伺いしたいと思います。

○白須政府参考人 お話のとおり、十八の主催者が現在おるわけでございますが、非常に地域が限定をしておりまして、やはり自場で完結的な競馬施行というふうなことでございます。開催日そのものの日程調整ということも進んでおらないわけでございまして、いわば収益も分散化いたしておりますし、収益性も低いという状況になっているわけでございます。

 そこで、連携を図ろうというふうなことでございますが、まさに委員のお話のとおり、そこのところは、しっかりとした調整というものを行いますには、やはりそれなりのリーダーシップを発揮した形での一つの協議会というふうなシステムによってこれを調整していくことが必要なのではないかというふうに考えている次第でございます。

 したがいまして、私どもとしては、複数の主催者がそれぞれ連携を行うために連携計画をつくるわけでございますが、そのためにも、それぞれ複数の主催者でお集まりをいただきまして、一つのブロックごとの協議会というものを立ち上げていただきまして、そこでもって具体的な日程の調整なり施設の共有化、そういった連携を促進するための調整、計画、したがって、その協議会を一つの場といたしまして恒常的に協議、調整が行われるような、そういうふうな場で円滑な利害調整を行っていきたいというふうに考えているわけでございます。

 したがって、そういう中で競馬連携計画を策定をいただきまして、その中に収支改善の目標を盛り込むというふうなことでございますので、そういったことに対しまして今回の支援措置を活用していただくということで、収支改善の実を上げていきたいというふうに考えている次第でございます。

○白保委員 余り時間がないので、競馬の実施事務委託制度の見直しについて。

 JRAの馬券を地方が受託する場合は収支改善にはプラスであるけれども、商品力にまさるJRAの競走を多く発売することは、地元のレースが埋没してしまって地方競馬の存在意義を希薄化し、リスクが多くなるんじゃないかということが一つ。また、民間委託がありますね。民間委託を可能にしたということについて言うならば、公正の確保、要するに背後に暴力団とかそういったものがうごめいたりすることがあってはいけませんから、公正の確保をどうするんだと。確実に担保する必要があるということが一つありますね。また、具体的にどのような取り組みを想定しているのか、具体的にどれだけの経営的効果を期待しているのか。これを、あわせて簡潔にお願いします。

○白須政府参考人 お話しのとおり、やはり地方の主催者が、自分の経営を圧迫する可能性、中央の馬券を発売することによりましてそういうことで自分の経営を圧迫するという可能性はもちろんあるわけでございます。そういう場合には、例えば先ごろ行われましたダービーといった、そういう中央のG1レースのみを発売するといったようなことで、発売規模を調整するというふうなことによりまして影響は回避できるのではないか。他方、地方競馬のレースを中央競馬に委託して発売することによりまして、地方競馬のさらなるアピールにつながる可能性もあるわけでございますので、存在意義が希薄になるという御懸念はやり方によって払拭できるのではないかというふうに考えている次第でございます。

 また、私人委託に係ります、例えば暴力団、そういった不適切な者の排除ということ、これは非常に重要なことだ、やはり公正確保ということが競馬にとりましても大変に重要な点だというふうに私ども認識をいたしております。したがいまして、実は委託制度はこれからの具体化でございますので、そういう中におきまして、委員御指摘の暴力団の参入防止といったことは、きちんと公正確保というところを踏まえましてそういう不適切な者はしっかりと排除していくということで、公正な施行に万全を期してまいりたいというふうに考えております。

○白保委員 それでは、重勝式馬券復活と控除率の見直し、これについて伺います。

 今回の改正案で、的中率の高い単勝式、複勝式の給付金制度にかえて払い戻し率を七五%から八〇%に引き上げるというふうにしています。したがって、単勝式と複勝式は実質的には二〇%の控除率になったわけでありますが、単勝式と複勝式についてのみ払い戻し率を見直す理由を伺いたい。

 また、人気回復を図るために、重勝式の勝馬投票法が復活されます。これはかつて、一九六一年の公営競技調査会の長沼答申で、射幸心をあおるということでもって、六三年に発売が中止されたといった歴史を持ったものであります。こういったギャンブル性の高いかけ式導入の理由を伺いたいということと、またキャリーオーバーも導入するようでありますが、重勝式導入とあわせて、多額のシステム投資が必要となってまいりますが、主催者側にも必ずしも営業的にはプラスではない。これらのかけ式の改正で、売り上げが増加する効果が見込めるのかどうかということを伺いたいと思います。

○白須政府参考人 お話しのとおり、単複の的中者に対しましては払戻金五%の上乗せということが認められておりまして、現に、中央競馬におきましては、平成三年以来特別給付金の上乗せが行われてきておるということで、特段問題も生じておらずに、ファンにも定着しておるということでございます。そこで、中央競馬につきましては、特別給付金の上乗せを恒久化するということでございます。これは制度に取り込むということで、払い戻し率をおおむね八〇%にするということで、いわゆる特別給付金の状況にかかわらず安定的にファンサービスを実施していくということにしたものでございます。

 他方、地方競馬の方は、これはやはり現在の状況も大変厳しいわけでございますので、地方競馬の単複の払い戻し率の八〇%への引き上げにつきましては、地方競馬の事業収支の改善状況を勘案しながら検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。

 それから、重勝式の点につきましては、お話しのとおり、長沼答申で廃止をされた経緯があるわけでございます。しかしながら、その後四十年以上経た現在におきまして、社会情勢は大きく変化をしておる。しかも、その後紛争事件は皆無でございますし、また海外におきましても重勝式は広く普及をしておるということで、今回重勝式を導入いたしましても特に問題はないであろうというふうに考えているわけでございます。

 ただ、いずれにしても、具体的な設計に当たりましては、お話しのとおり、やはりファンの方々に受け入れられるような、ファンにとっておもしろみのあるような、そういう形で具体的な設計が行われるように検討してまいりたいというふうに考えております。

○白保委員 時間も参りましたので、最後になりますが、未成年者の購入制限、学生生徒を購入制限の対象にしたのが大正十二年だそうです。ですから、時代の流れから考えれば時代の流れかな、こういうふうなことも思いますし、サッカーくじが十九歳以上に発売できるというふうなこともありますから、そういったことも意識されているんだろう、こういうふうに思います。

 しかし、インターネットなどの販売の拡大が図られている中で、未成年者の購入を防ぐ措置をどのようにするのか、具体的にそのことをお伺いしたいと思います。

○白須政府参考人 ただいまの未成年者の投票、特にインターネットなどの電話投票を利用した投票におきましては、実は加入手続を行いますときに、加入申込書に年齢なり職業を記入する欄を設けておるわけでございますが、さらに免許証なり保険証なり、そういった写しの提出を求めておりまして、それによりまして未成年者は電話投票の会員となることができない、そういうふうに措置をいたしているわけでございます。

 また、そういった措置に加えまして、必要に応じまして電話による確認も行っておるということでございますので、お話しのとおり、そういった未成年者の馬券の購入ということにつきましては、やはり今回も、それはそういうことがあってはならないということでございますので、そこのところはきちんとしっかりとした歯どめができるように対応してまいりたいというふうに考えております。

○白保委員 終わります。