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○白保委員 さまざまな御意見があり、また非常に大事な指摘等もございました。私は、大変時間が限られておりますので、基本的なことを幾つかポイントを絞ってお聞きしていきたい、こういうふうに思っています。
まず一点目は、農協改革の基本的な考え方、これについてお伺いしたいと思います。
制度が発足して五十数年が経過した今日、社会のあり方、そしてまた農業をめぐる状況も非常に変わってまいりました。そういった中で、ここ数年というのは、さまざまな事案があって、WTOやFTAとかさまざまなことがあって、また、国民の食に対する安全だとか安心だとか、そういう要求からも見られるように、我が国の農業の直面する課題というのは非常に大きなものがあり、また問われているんだろう、こういうふうに思います。
そしてまた国民、すなわちまた消費者の目線、これを尊重したこれまでの議論の中でも、消費者の立場に立った議論というものを相当多くなされてまいりましたから、そういう新たな視点での農政の展開の中で、小規模の農家というのがついていくのも非常に大変なそういう時代でもあるのではないかな、こういうふうに思います。
しかし、こういった農家をつないできたのが、その存在が農協であったことも事実であります。しかし、収益力を誇ってきたような信用事業、共済事業にも陰りが目立ち始めて、農協の系統全体の収支構造が非常に厳しくなってきている、こういう状況が事実であります。それで、経済事業の改革によるそういう収支改善を求める声も当然あります。これはしかし、民間の経済活動そのものであって、本来、主体的に取り組んでいかなきゃならない、そういった問題なんだろうと思います。
そこで、今回の改正において経済事業の諸改革を盛り込んでおりますが、そういう問題を、農協改革の基本理念と農政、行政とのかかわり、これについて大臣はどのような御所見をお持ちなのか、まずそのことについてお伺いをしておきたいと思います。
○亀井国務大臣 農協改革、これは、先ほど来申し上げておりますとおり、平成十一年の食料・農業・農村基本計画の制定を受けまして、十三年の農協法の一部改正、信用事業の分野におきます一定の成果を上げておるわけでもあります。
しかし、経済事業につきましての改革がおくれている、組合員からも、農協を利用するメリットに乏しい、こういう指摘を受けておるわけでありまして、こうした指摘を踏まえまして、昨年十月の二十三回JA全国大会、その中で、安全、安心な農産物の提供と地域農業の振興、組合員の負託にこたえる経済事業改革、経営の健全性あるいは高度化への取り組みの強化、また、協同活動の強化による組織基盤の拡充と地域の活性化、この四点を重点事項として、農協改革に組織を挙げて取り組んでいくことを決議されたわけであります。
委員からも御指摘のとおり、我が国農業、農村を取り巻く情勢というのは大変変化をしておるわけであります。その中で、食の安全、安心の確保に対する関心の高まり、あるいは農村地域の高齢化の問題、あるいは耕作放棄地の増加、あるいはグローバル化の進展等、大きく変化をしておるわけでありまして、農業構造の改革は一層加速化が求められておるわけであります。
そういう中で、我が省といたしましても、構造転換支援施策の重点化、集中化、米政策の改革、食の安全、安心への取り組みの強化、あるいは農政全般の改革に取り組んでいるところであります。
そういう面で、農協系統の組織におきまして、やはり地域農業の司令塔として、これらの課題に対しまして主体的に取り組むことが農協系統組織に期待をされるわけでありまして、農協改革を進めることが、食料の自給率の向上や農業の体質の強化、あるいは豊かな農村の形成、こういうものに資するわけであります。
この農業の構造改革を加速化し、そして意欲ある経営体が躍進する環境条件、これをつくり出すために実行すべき施策の一つとして、この農協法の改正を位置づけているところであります。
○白保委員 確かに、改革というのは農政においても決して避けて通れる問題ではありませんし、また、今、食料・農業・農村基本計画の見直し、来年の三月までの中で大きな改革が迫られている。しかし、競争力をつけて自立をしていかなきゃならない、こういったことも非常に大きな課題でありますし、我々も、そのことについてはしっかりと取り組んでいかなきゃならない課題であるな、こういうふうに考えているところであります。
そして、次にお伺いしたいのは、正組合員資格の問題であります。
JAの総組合員戸数は七百七十万戸、そのうち正組合員が四百四十九万五千九百二十二戸である、こういうふうに平成十四年度現在の数字が出ています。日本の農家戸数は、平成十四年で三百三万戸ということでありまして、およそ百四十万戸の差がある。
これは、農業経営基盤強化促進法などで、離農した後も正組合員資格を保障される場合や、JAの定款に定める農家と定義が違うなどのそれぞれの理由によるのかもしれませんが、この百四十五万というのは決して小さな数字ではない。出資者であったり利用者であり運営者である正組合員、すなわち本来の農業者の声がこういう形の中で反映されていくのかどうか、こういうことが思われます。
離農した場合に正組合員としての資格を喪失するのは、JA組織の根幹をなす正組合員のルールであることから当然のことなんですが、正組合員としてのメリットを享受するために違反状態のケースが多々あるんではないか、こういうふうなことも言われています。
そこで、農業者の相互扶助という基本に忠実な運営を確保するためにも、この点を精査し、改めるべきではないかという声がありますが、所見を伺いたい。
○川村政府参考人 今委員のお尋ねにありました農家戸数、これは農業構造動態調査の結果と農協の正組合員の戸数が大幅に異なるという御指摘でございまして、またその原因も、御指摘いただきましたとおり、農家の定義が組合員資格と構造動態調査で異なること、それから、基盤強化法におきまして、引き続き正会員資格を特例として認めているといったような事態が原因になっているのでございます。
確かに、正組合員というのは、組合の管理運営に参画する権利を有する者でございまして、役員の選挙権でありますとか総会の議決権、こういうものを持っているわけでございますので、農協のまさに健全な運営を確保していくという上からは、この点は的確に対応していく必要があるということだというふうに我々も認識しております。
この点に関しまして、事務ガイドラインを出して、これで指導しておりますが、一年に一回以上は定期的に確認をし、適切な加入がなされるようということでの指導をいたしているところでございまして、この点のチェックは十分に行われるべきものというふうに考えているところでございます。
○白保委員 危惧することはないということなんだろうと思いますが、そういう声があるということはしっかりと受けとめて運営をしていかなきゃならないんではないかな、こういうふうに思います。
そこで、次の問題は、員外利用規制について伺います。
農協の事業は、組合員への最大奉仕を基本とするものであり、本来、組合員に限って利用が認められるべきであり、その上での特例を設けている。したがって、農協法で、組合員以外の利用を原則事業量の二〇%、あるいは貸し付けや預金、手形割引は二五%以内、こういうふうにしていることは当然のことであろうと思います。今回の改正では、販売事業に関しては員外規制の例外を設ける手続を定めております。直売事業への効果があるのではないかという期待をしているところであります。
ところで、員外利用規制を遵守させるためにどのような対策をとっているのか、この点をお伺いしたいと思います。
○川村政府参考人 員外利用規制の関係でございます。
農協におきまして員外利用規制に違反している事例がある場合には、一義的には都道府県知事が指導を行うという仕組みになっております。農林水産省といたしましても、この員外利用の状況を常に正確に把握するとともに、これを適正に管理する必要があるということで、平成十五年三月三十一日付で、この指導のガイドラインとなっております事務ガイドライン、この一部改正を行ったわけでございまして、員外利用状況の把握、それから、制限の遵守につきまして指導の徹底ということを行っております。
農協系統自身におきましても、JAの事業は、御指摘もございましたとおり、基本的には組合員のためのものでございます。員外利用の把握と規制の遵守は当然に行われるべきものと認識をして、そして、正確に員外利用状況を把握できるような電算システム、こういったものの開発、それから本人確認の取り組み、員外利用の割合の適正把握、制限厳守の徹底に向けた取り組みを始めたところでございます。
農林省といたしましても、こういった農協系統の自主的な取り組みを加速させまして、員外利用状況の適切な把握、それから遵守につきまして、指導の徹底をさらに行ってまいりたいと思っております。
○白保委員 ちょっと関連しまして、把握という話ですが、これまでの結果として、何かきっちりとした把握したものがあるんですか。
○川村政府参考人 率直に申し上げまして、これまでなかなかすべてが把握できる体制にはなっておらなかったわけでございますが、総合規制改革会議等でもいろいろ御議論があったので、農水省でサンプル調査等をした経緯はございます。
○白保委員 次の問題についてお伺いしたいのは、准組合員制度について、その准組合員数の比率が高まる傾向にあります。准組合員には員外利用規制は適用されずに、法人、個人を問わず、准組合員になることは比較的容易である。その上、一昨年の改正で、住所要件が緩和されてまいりました。しかし、第三次答申では、「正組合員のメリットの最大化につながらない制度運用がなされる可能性がある」との指摘がありますが、准組合員数が増加している中で、今後の准組合員制度の方向性についてどのようにお考えか、伺いたいと思います。
○川村政府参考人 准組合員制度でございます。
これは、農村に居住している農家でない個人あるいは農民の団体が農協の准組合員になれるということになっておりまして、こういう方々が准組合員になれませんと、員外利用で認められる範囲でしか組合の事業を利用できない、こういうことになりまして、これはそういう本人にとっても非常に不便でありますし、農協は地域の経済主体という側面も持っておりますし、特に農村部、純農村部になればなるほどそういう色合いが強いわけでございますので、この事業運営を安定させる見地からも、できるだけ事業分量を増大するということで、これらの方々につきまして、組合の事業を組合員として利用できるような道を開こうという趣旨から設けられております。
近年、この准組合員の割合が徐々に大きくなってきている状況にございます。これは、農家数が減少する、それに伴いまして正組合員が減少しますけれども、各農協がその地域住民の准組合員加入を促進するという動きがあるということを反映しているというふうに考えております。
ただ、農協の組合員のその趣旨を考えますと、組合員の主体は基本的にはやはり農業者ということでございますので、むやみに准組合員をふやすということは必ずしも好ましいことではないと考えておりますので、そういった准組合員のある程度の確保ということは当然必要ではございますけれども、正組合員のメリットが損なわれることのないような指導というのはしてまいりたいというふうに思っております。
○白保委員 次に、農協の協同会社の規制の問題について伺います。
現行法の規定では、農協が協同会社をつくることは、金融業を除き比較的容易にできる。この協同会社は員外利用規制はありません。どのような会社を設立するかといえば、信用事業に関連をした電算センターや共済事業関連の調査会社など、専門化するパターンと、合理化、効率化を図るため、赤字のガソリンスタンドとか販売業務、生活関連の店舗を会社組織にするパターンに大別されているようであります。
これらの協同会社の経営実態を農協はきちんと把握し、農協との適正なつながりを維持しなければならないと思いますし、それができなければ農協本体の理念を不健全な形に陥れるんじゃないかと思います。農協改革において、不採算部門の分社化を安易に行うことはできないと思いますけれども、御所見を伺いたいと思います。
○川村政府参考人 協同会社の問題でございます。
協同会社は、各JAの事業活動の合理化等を図るという観点から、JA本体の補完的業務を行うという観点で運営をされております。その設立につきましては、協同会社としての設立の必要性、それから、健全な経営が可能かどうかを十分協議してもらって、その結果として、JAの総会等において設立承認が得られるという手続になっているところでございます。
基本的には、この協同会社につきましては行政は関与しておりませんが、ただ、信用事業等におきましては、やはり規制の脱法的なしり抜け等が行われないようにという観点から、設立認可、届け出、そういうものがございます。
この協同会社、今申し上げましたような適正な手続によってされるべきでございますが、御指摘のように、安易に赤字のツケ回し的な会社を設立するといったようなことでは、当然これはだめなわけでございますので、やはりこれは、そういうJA本体の経営をしっかり補佐していくといいますか、補完していく、そういう観点から適正な運営管理、こういうものが行われるように、JA自身もそういう意識で取り組んでもらいたいと思っておりますし、我々もそういう観点から指導監督を行っていきたいと思っております。
○白保委員 なかなか厳しいものがあるわけですから、そういう面で私は質問いたしました。
最後に、非JA型農協の促進について伺いますが、平成十三年の法改正によって、一定要件のもと、一地域に複数の農協が存在することが可能になりました。重複して設立した事例は余りないそうでありますけれども、地区を重複して複数の農協が設立されることは、相互の競争原理があって組合員のサービス向上が期待できるということで、またいいことだと思います。また、組合員にとっても、利用の選択肢が広がるメリットがあるはずであります。最終的には農協の健全な発展につながれば一番いい、こういうふうに思います。
そういう観点からすれば、農協法六十条の、重複する場合の認可に当たっては、行政庁は関係市町村及び関係農業協同組合中央会と協議しなければならないとの規定は、これは見直してもいいのではないかというふうにも考えます。
JAの重複や非JA型農協設立は、さらに周知、促進されるべきだと思いますが、どのようなメリット、デメリットがあるのか、お考えを伺いたいと思います。
○川村政府参考人 非JA型農協、いわゆる専門農協、それからゾーニングといいますか、地区が重複する農協、そういう設立は、現行規定上可能になっておるところでございます。こういう農協ができるということによりまして、委員もくしくも質問の中で御指摘がございましたように、組合相互間の適正な競争によりますサービスの質の向上、それから、隣接組合が異なります共同利用施設を所有している場合には、隣接地区の農民が当該施設の組合員として利用ができるといった等のメリットもあるわけでございます。この関係につきましては、これも委員の御質問の中にありました、関係市町村あるいは中央会の協議ということが義務づけられております。
この点を見直すべきではないかという御質問でございますが、この規定は平成十四年から施行されて、まだ間もないということもございます。それから、JAの規模や事業内容が既存のJAとの併存から見て組合員にメリットがあるかどうかを判断する上では重要な手段となっておりまして、現時点で判断いたしますと、この協議の義務づけは、当面ちょっと見直すことは必ずしも適切ではないんじゃないかというふうに思っているところでございます。
○白保委員 終わります。
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