国 会 質 問

平成16年04月27日
衆議院 農林水産委員会


政府参考人出頭要求に関する件
参考人出頭要求に関する件
家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案
高病原性鳥インフルエンザ対策緊急措置法案


○白保委員 初めに、この法案に入る前に、鳥インフルエンザが拡大する中で、私どもも、冬柴幹事長を対策本部長として対策本部を立ち上げました。その際に、政府に緊急の申し入れ、要請を行ったわけであります。一つは早期発見、蔓延防止体制の構築、二番目に防疫体制の強化、三番目に新型人インフルエンザウイルスの発生防止対策、四番目に自治体に対する財政対策の強化、五番目に中小・中堅企業に対する支援、そして六番目に風評被害の防止、こういったことを柱とする、かなりの項目にわたりましたが、申し入れを行いました。これが三月五日ですが、三月十六日に鳥インフルエンザ対策に関する関係閣僚会合で緊急の総合対策をまとめました。このまとめられた総合対策は、おおむね私どもの要請がそこに盛り込まれたな、こんなふうに思っています。

 したがって、本法案はそこに沿ったものと思いますが、そこで大臣に、緊急総合対策、三月十六日にまとめられまして、その後、この一カ月、どのように順調に進められているか、またこれから取り組む姿勢について、まずお伺いをしておきたいと思います。

○亀井国務大臣 今委員から御指摘の、三月五日に公明党より「高病原性鳥インフルエンザ対策緊急申し入れ」を、本部長の冬柴鐵三先生の文書でちょうだいをいたしております。そして、今委員からも御指摘の、三月十六日に鳥インフルエンザ緊急総合対策に、取りまとめに入れさせていただきました。

 そして、具体的には、今委員から御指摘の項目、すべてその中に入っておるわけでありまして、それら、三月十六日の対策、そういう中で、京都の終息宣言ができる、また京都でのいろいろの対応、こういう問題につきましては、その対策に基づきまして実施をしておるところでもございます。

 さらにあわせて、今後とも、関係府省、さらには関係自治体と緊密な連携をとりまして、これは一たん発生をすると大変な事態になるわけでありますので、今回の山口、大分、そして京都のこの事例というものを十分頭に入れて、防疫マニュアルの徹底等々、反省の上にその対応をしっかりやってまいりたい、こう思っております。

○白保委員 先日、我が党が主催いたしまして島根県で農業フォーラムを行いました。私も参加したわけでございますが、その際に、御出席いただいた養鶏業の方から訴えられたことがあります。

 訴えていたことは、今回の鳥インフルエンザ問題で、けさも議論がありましたが、感染ルートが解明されておらず、いつ自分のところの鶏が感染するかもしれない、こういう不安を抱えて仕事をしているということを言っておられました。確かに、最も疑わしいとされる渡り鳥、野鳥の飛来する経路、これを調べ尽くすというのはなかなか大変なことだ、困難をきわめるかもしれませんが、感染源及び感染経路を早く究明していただきたい、こういう強い訴えでございました。

 けさほども議論の中で、六月中に一定の結論を出すだろうというお話もあったわけですが、これは、それぞれの地域で終息宣言を出されたりしておるわけでございますけれども、六月中に一定の結論が出るということは、全国的に終息宣言という話になるのかどうかということが一つあります。

 また、今回はカラスへの感染という事態が生じて国民の不安をかき立てたわけでございますけれども、環境省などと連携して、野鳥に関する防疫マニュアル、これを策定する必要があると思いますが、その御所見について伺いたいと思います。

○中川政府参考人 お答え申し上げます。
 感染経路究明チームを立ち上げまして、先生が今おっしゃいましたように、六月中に何とか一定の結論が出るように今検討いただいているわけでございますけれども、この感染経路究明チームの検討結果と、それから全国的な終息宣言を出すかどうかということは、これは別のものだというふうに思っております。

 これまでの四つの事例を基礎にいたしまして、そこのさまざまなデータから想定される感染経路について一定の見解を示していただくというのが、この感染経路究明チームに課せられた課題でございますし、我が国において、これから先も高病原性鳥インフルエンザがいつ何どき発生するかわからないということで、この点に関しましては、むしろこれからも注意を怠ることなく、それぞれの養鶏事業者の方々みずからの経営のところで野鳥の侵入等について最大限注意を払っていただくということでございますし、また、私ども行政の方もきちっとした対応をしていかなければいけないというふうに思っております。

 本病の感染経路の一つといたしまして野鳥が想定をされておりますので、昨年の十二月に韓国で発生をしましたときから、既に各都道府県に対しましては、野鳥等が鶏舎の中に入らないように、あるいはまた給水源への接近の防止などの指導を徹底するということをやってきたところでありますけれども、さらに、鳥インフルエンザの防疫マニュアルを改定いたしまして、こういった発生予防対策、野鳥との関係ということについても明確に規定をしたところでございます。

○白保委員 今、局長が言われた話に関連するんですけれども、要するに、防疫ネットとウインドーレス鶏舎の問題を次に聞きたいと思います。

 同じように養鶏業者の皆さんがおっしゃっていたのは、鶏をできるだけ自然の中で、本当はそういう中で土を踏ませる方法で育てていきたい、飼育していきたい。ところが、渡り鳥や野鳥などからの感染を防ぐために、そういった養鶏している場所全体にネットを張るように指導をしているが、鶏舎と違って、鶏舎は後で申し上げますが、大きなネットを張ると物すごいコストがかかるわけですよ。一方、窓のない監獄のようなウインドーレス鶏舎、これは補助事業、リース事業を活用した支援措置が講じられている。

 感染から防護するという面では合理的な方法かもしれませんけれども、消費者はそういう中で育てられた、より健康な家畜を食材として望んでいることも間違いないわけでありまして、このことを踏まえたら、鶏舎を使わない飼育方法をとる業者の場合でも、感染経路が究明されていない現状からすれば、土を踏ませてネットを張ってやっているそうした人に対しても同等の支援措置を講ずるのが適当なんじゃないか、こういう声があるわけです。これについてはいかがですか。

○白須政府参考人 ただいまの委員の御指摘でございます。

 お話しのとおり、やはり野鳥の鶏舎への侵入を防止するということが不可欠でございます。その場合に、今お話しのように平飼いの、いわゆる開放型鶏舎の場合がやはり問題になろうかと思っておりまして、その場合には、より簡易に、一つには防鳥ネットをそこにかけるというやり方もございますし、あるいはカーテン等々でセミウインドーレス化をするというふうなことで野鳥の侵入を防止するという方策もとれるわけでございます。

 そこで、私ども、一つにはリース事業をやっておりまして、それで、実はいろいろな施設をリースで養鶏をやっておられる方にやっておるわけでございますが、今回、新たに巻き上げカーテンというふうなことで、平飼いの開放型鶏舎でございましても、そういったカーテンを設置することによりまして野鳥の侵入を防止する。こういうふうなことで、巻き上げカーテンによりまして、いわゆる平飼いの開放型の鶏舎でありましてもセミウインドーレス化をできるように、そういうことを行います農業者を支援してまいりたいというふうなことでございます。もちろん、それ以外にも、防鳥ネットあるいは金網といったようなことには制度資金も使えるわけでございますので、そういったような手法も使いながら支援をしてまいりたいというふうに考えております。

○白保委員 ですから、そうやって今答弁されるわけですが、現実に、現場へ行きますとそういったことがよくわかっていない。ですから、しっかりとその辺のことも教えてあげて、皆さんにそれを利用していただくという方法をとっていかないと、一方はちゃんと支援措置があってこっちはないんじゃないか、こういうような御心配をなさるし、また、それならばなかなかできないねというようなことにもなりかねないので、そのことについてもきっちりとやっていただきたいと思います。

 と同時に、そのときに出た話の中で、卵の問題で、どうして学校の中で卵を使わないんだ、給食の中で一気に卵を使わなくなったと。そうして使わないでいると、これがまた報道されると、やはり本当は危ないんだな、危なくないと言っていても、使わないと、使わないところを報道して、それが今度は危ないんだというふうな形になって風評被害になっていく。本来、正しい食を教えなければならない学校でそういうことになっている。

 こういうようなことに対しても、しっかりとした対策をとられたのかどうかという問題も出てきています。また、今後こういうケースも出てくることも考えられますので、そういったことについてもどのような取り組みがされたのか、お聞きしたいと思います。

○白須政府参考人 ただいまの学校給食の関係でございます。

 お話しのとおり、学校給食におきまして鶏肉あるいは鶏卵の使用を自粛するというふうな動きが、特に近畿の管内でもあったわけでございます。私ども、農政局を挙げまして、あるいは農政事務所の職員が、教育委員会、そういったところにも直接足を運んで、鶏肉、鶏卵に対する正しい情報のPR、それから正しい知識というものもお話をいたしますと同時に、そういった学校給食について、きちんと利用をしてもらいたいというふうな協力要請を行っているわけでございます。

 そこで、三月の段階では、近畿の管内の市町村におきまして、実は利用自粛が見られた市町村が二十九あったわけでございますが、先週、私ども再度調査をいたしましたら、その二十九の利用を自粛しておりました市町村につきましてはすべて自粛の解除を決定いたしまして、具体的に、例えば大津市でも、四月十三日の例の移動制限措置の解除を受けまして、学校給食における鶏肉、鶏卵の使用自粛の解除も決定して、四月の二十二、二十三日の両日には鶏肉を使ったメニューを提供する、そういうふうな動きにもなってきているわけでございます。

 私ども、そういった形できめ細やかに、農政局等々が一生懸命動きまして直接の要請ということも行っておりますので、こういった形で、今後ともそういう風評被害の防止につきましてはきめ細やかにしっかりと対応してまいりたいというふうに考えております。

○白保委員 わかりました。

 そこで、食品安全委員会のことについて先ほどいろいろと議論がありました。そうしたら、新聞の社説に「食品安全委員会って何だっけ」と書いてある、こういう社説が出ていました。それは何かというと、今の風評被害にもかかわる問題なんですが、何だっけと言いますからちゃんと言っておきますが、BSE問題を教訓に平成十五年七月に内閣府に食品安全委員会が設置された、関係省庁から独立して、科学的知見に基づき客観的、中立公正に危険の度合いを評価する、またその評価を広く社会に伝えるのが役目だというふうに言っているんです。

 一月に山口で鳥インフルエンザが発生してから、食品安全委員会が「国民の皆様へ」といって文書を発表したのは三月九日です。この後、二カ月近い間にいろいろなことがあって、先ほどの話じゃありませんが、風評被害みたいなものがだんだんに飛び出してくる。その間に、食品安全委員会については、厚生労働省や農林水産省からいろいろなリスクの問題等が持ち込まれて、一生懸命研究していらっしゃるんだ、これはよくわかりますよ。よくわかりますが、こういう緊急な問題について、風評被害は出ない、しかも、安全だ、こう言っているんですから、食品安全委員会がきっちりと姿勢を示すことが大事なんじゃないか、こう思うんです。

 テレビを見ていましたら、農水省の一課長が毎晩のように疲れた顔をして出てきて一生懸命やっている。担当の大臣がいるんじゃないですか。担当大臣が出てくる。担当大臣の顔なんかついぞ見ない。いるんですよ、ちゃんと食品安全委員会担当大臣が。こういう人が出てきてきっちりと話をしていかなかったならば、風評被害は広がっていくんですよ。二カ月の間そうやって置いておくから、社説で「食品安全委員会って何だっけ」、こう書かれている。そうでしょう。

 だから、そういう面で、先ほども議論がありましたが、みずからをどう位置づけ、今後どういうふうに役割を担っていくのかという基本の問題について私は聞いておかなきゃならない、こう思います。いかがでしょう。

○梅津政府参考人 お答え申し上げます。

 高病原性鳥インフルエンザの発生後の当委員会の対応でございますが、一月二十九日の第三十回会合において農水省から報告を受けるとともに、田代ウイルス専門調査会座長、これは感染研の専門家でございますけれども、お招きして、公開で科学的な議論を行っております。その後、二月十六日にホームページ上にわかりやすいQアンドAを設置する等々の対応をしております。

 委員御指摘の、三月九日に「国民の皆様へ」という四府省共同の発表がなされまして、その後、三月十一日に、これも三十六回委員会会合において、見上委員の提案ということで、鶏肉、鶏卵の安全性に対する考え方、すなわちレセプターがないとか、酸や熱に弱い、そういったことを根拠に、単に報告がないということではなくて、安全であるという見解を公表し、その後、三月二十二日における京都市での講演会あるいは十九日のリスクコミュニケーションの委員会の開催等々を行ってきております。

 委員御指摘のように、この問題は、動物の疾病という側面と感染症という側面があるわけでございますけれども、これまで鶏肉や鶏卵を食べることを通じて人が感染したという例は世界的にも報告がないということで、いわば第一義的な食品安全問題とはいささか性格が異なるという認識があったことも事実でございます。今後、今委員御指摘のように、どのようなタイミングでどのような科学的知見を収集し国民に発信するかにつきましては、引き続き研さんを重ねてまいりたいと思っております。

○白保委員 よくわかりますけれども、ただ、みんな毎日生活していて、生産者も生活していて大変なんです。だからきちっと、ただ研究ばかりしていればいいという話でしたらこんなものは余り意味がないわけで、もっともっと緊急に物事がやれるような、そういう状況にしてもらいたい、こう思います。

 時間がもうほとんどありませんので、あと一問だけにしておきたいと思いますが、ワクチンの問題で非常に議論がありました。ワクチンの問題で議論がありまして、また農水省も二月にメキシコからワクチンを緊急輸入して、三百二十万ドーズ、約百六十万羽分を備蓄しているというふうに聞いています。この輸入ワクチンは国内未承認とも聞いておりますが、今後、このワクチン使用の方針及びワクチン開発の取り組みについて伺いたいと思います。

○中川政府参考人 ワクチンの使用につきましては先ほども一度答弁をさせていただきましたが、現在存在しております鳥インフルエンザのワクチンはいろいろと問題もございますので、まずはワクチンを使用することなく、早期発見、早期摘発、淘汰という形でやるべきだというふうに思っております。

 この点につきましては、食品安全委員会の食品健康影響評価の際にも、ワクチンの使用は早期摘発及び淘汰により根絶を図ることが困難となった場合に限定すべきというふうな指摘をいただいたところでございまして、その点を十分踏まえまして慎重に対応したいというふうに思っております。

 他方で、現存しておりますワクチンのほかに、ワクチンの開発につきまして、民間企業でそういう動きがある場合にはこれを支援していきたいというふうに思っておりまして、動物衛生研究所などの高度封じ込め動物実験施設におきましてワクチンを接種した鶏への攻撃試験を行う、あるいは感染、発症の予防効果、ウイルス排せつの程度といったものについての実験の確認をしたいというふうに思っております。

 こういったことを通じまして、より効果的なワクチンの早期の開発、承認に向けて支援をしていきたいというふうに思っております。

○白保委員 あと二問ほど通告しておりましたが、時間が参りましたので、用意していただきまして済みません、終わらせていただきます