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○白保委員 公明党の白保台一でございます。
きょうは、参考人の皆さん方には、当委員会に御出席いただいて、大変感謝しております。ありがとうございます。
黄川田先生は須之内さんの方から聞かれまして、私は前の方から順番に聞いていきたいと思います。
中村参考人にまずお伺いしたいと思いますが、限られた時間ですので、農業委員会法や改良助長法についても伺いたいのですが、この機会に、新規就農者の相談に長い間取り組んでこられた経験がおありでございますので、御意見をお伺いしたいと思います。
まず、農業経験のない方が就農をするのに何が最も困難な問題となっている、このようにお考えでしょうか。
○中村参考人 我々もいろいろな調査をしておりますけれども、十三年に千五百三十八人の新規就農者に対しました調査で見ますと、資金の確保が五一%、農地の確保が四七%、住宅の確保が三二%、技術の習得が二七%となっておりまして、我々、これを四点セット、難しい四点セット、こう呼んでおりますが、新規就農者の悩みはこういうところにあるかと思います。
○白保委員 若い人の就農、そうした若い人が就農、農業につくためにということできのうも若干議論をいたしましたが、その際に、若い人が農業につくために一番動機づけといいますか、そういうものは何だというふうに考えられますか。
○中村参考人 大変難しい御質問だろうと思います。
我々が新規就農者の方と接触しております感じから申し上げますと、職業選択につきましての意識が相当変わってきているのではないかと思います。農業法人が集まりまして就農相談会も開きますが、ほとんど大卒で、しかも農学ではない方が多くなっておりまして、そういう意味では、やはり農業が職業として見直されてきているということが一番大きな原因ではなかろうかと思います。
○白保委員 今、失業率が五%でずっと来ているわけですね。同時にまた、フリーターというのがいっぱいいたりなんかしまして、こういう人たちが本当に農業の持つ大きな意味合いをよくわかって就農をしてくれると、二つの意味で解決になるんですね。農業の未来の問題と、それから失業率を落とすことができるという二つの社会的な問題を解決することができるものですから、農業に対して若い人たちに関心を持ってもらいたいな、こんなような思いできのうも議論をしたところです。
それで、きのうも言ったんですが、ヨーロッパの方では、山間地域へ夫婦二人で新規就農した場合には年間六百万円程度の助成があって、これが五年間農業を続けていけば返還は免除するというような、奨学金制度のような直接支払い制度があるんだそうです。就農の促進にはこういった水準というものが必要になってくるのじゃないか、こういうふうに私自身は考えているんですが、中村参考人、いかがでしょうか。
○中村参考人 調査によりますと、年齢の高い方は趣味的に農業につくというのが多いわけでありますが、若い方は農業経営としてつきたいという意識が非常に強くなってきております。
ただ、これも先ほど申し上げました同じ調査でございますけれども、就農して経営なり生活が成り立つかというと、やはりなかなか成り立たないという調査結果が出ております。どうしても、生活を含めますと、年間に一千万ぐらいの所得がないと成り立たない。非常に難しい問題でございます。もちろん、それまでの蓄積などを食いながら対応はしているわけでありますけれども、一般的にめどがつくということになりますと三年なり五年の経過が必要だというふうに調査では出てきております。したがいまして、給料がもらえる農業法人へまずついて、そこで蓄積をしながらという方法も今あって、そっちの選択が多くなっているのではなかろうかというふうに思います。
いずれにしましても、そういうことでございますので、ヨーロッパにそういう制度があるならば、我々もよく研究をいたしまして、団体として必要ならば、また、政府に要望もしてまいるようなこともしなきゃいかぬのかなというふうに思っております。
○白保委員 どうもありがとうございます。
では、佐野参考人にお伺いしたいと思いますが、農業就業人口、この六割は女性の方が担っていらっしゃる。きのうも、我が国農業における女性の位置づけについて大臣にも質問したところであります。
そこで、農業委員会における女性の役割について、先ほどもお話があったかと思いますが、どのような考えかということについて、まず、せっかく女性ですから、お伺いしたいと思います。
○佐野参考人 お答え申し上げます。
今、社会の視点が変化をしつつあります。変わっております。価値観が違います、変わっています。まず、農業は農村に移行している、考え方が農村に移行している。そして、生産は暮らしに移行している。集団から個に移行。そして、行政から民間に、他力から自力、ハードからソフト、そしてファストフードからスローフード、もろもろのことが移行しております。
前者は男性がお考えになる施策であります。後者は女性が必要とする考えでございます。つまり、女性の力が必要になっております。そのためには、ぜひ女性の農業委員をたくさんふやして、燃える心をしっかりとつかんでお使いになっていただきたいなと思います。よろしく、お世話さまになります。
○白保委員 非常にすばらしい御答弁をいただきまして、ありがとうございます。
私自身も、党のある地域の責任者をやっていて、なぜ女性議員を出すかということで、女性が一番生活に密着していますからね。男は働きに出たりなんかすると意外ともろもろの周りのことはよくわからない、いわゆるソフト的なものはよくわからない部分があります。ところが、それが女性が政策参加をしますと非常に、今おっしゃるような両面のバランスのとれたものができるということで、女性議員をいっぱい我々としては応援して出しているんですよ。だから、非常にいいお話を伺いまして、ありがとうございます。
ところで、佐野参考人は、農家のお嫁さんになられて、農村のネガティブなイメージを払拭するために御自身の意識改革を相当なされてきたんじゃないのかな、こう思うわけです。
ある大学の先生が、日本の農業は、今や、いやしや安らぎなど、精神的価値を提供する第三次産業だと言っておられる方もいるわけですね。先ほどもお話がございましたように、時代とともに世の中は変わっていきますから、農村に対する社会の意識も大変変わってきた今日、農業や農村がどのような社会的位置づけにあるか、こういうふうにお聞きしたいんですけれども、いかがでしょうか。
○佐野参考人 お答えいたします。
私が平成八年に農業委員に立候補しますときに、夫はやれと言ってくれました。しかし、幾ら男女共同参画が進んでいる飯舘村でさえ、夫の親戚には、嫁である私が出るとは何事だと大変たたかれました。しかし、家族の理解があって今に至ったわけでありますけれども、そういう土壌がまだまだ封建的な農村にはたくさんあるということでございます。それを、私もそれまではとってもいい嫁でありましたからなかなか言えなかったんですけれども、これは自分がまず打たれなくてはならないな、だれかが後ろ指を指されなくてはいけないなと思いまして、まあ、悪口なり批判は、かなり抵抗はありましたけれども、そういうものに負けずに努力してきたつもりでございます。
そうなりますと、村の中がそちこちでそういう理解者がふえてきまして、全体に、今、村としてはその推進を図っているところでありますけれども、まあ、なかなか先に出るというのは難しいものでございます。これから続いていただきたいという願望であります。
○白保委員 すばらしいメッセージをいただきました。最後にメッセージを伺おうと思いましたが、もうすばらしいメッセージになりましたので、ありがとうございます。
高橋参考人にお伺いいたしたいと思います。
きのうの委員会で質問したことと重複するんですが、日本の農業はゾーニング制度がうまく機能してこなかったというふうに思います。というのは、農業委員会なりが厳格に農地区画を行ってゾーニングがきっちりとできていれば、他の用途に転売することができないわけでありまして、株式会社が参入しても耕作地を放棄する心配がなくなってくるんじゃないか、そうすれば農業の大規模化が進んでいくんじゃないか、こんなふうに考えるんですが、御所見を伺いたいと思います。
○高橋参考人 日本の農業が今日のように非常に厳しい状況にあるのは、ゾーニングが必ずしもうまくいかなかったのではないのかという御発言でございます。
どうも、私の専門とする領域ではないので十分お答えにならないんですが、それなりのゾーニングは日本では制度としては確立しているというふうに私は理解しております。
ただ、その中で、土地所有についての私的所有と国有と、その間に共有といいますか、そういった、集団で維持するという意識がかつての農村にはあったんですが、例えば集落をもとにしてそれを確保していたわけですが、それがだんだん薄れてきたということが今日かなり疲弊を生んでいることではないのか。
そういう意味で、現在、集落型法人ですか、経営体というものを進めていこう、あるいは特定農業団体のようなものを育てていこうというようなことで、集落における集団的土地利用機能といいますか、これを再構築するということが非常に重要な要素ではないかというふうに考えます。
○白保委員 法案と若干外れますが、高橋先生、有機農法とか減農薬、無農薬農法、これは消費者には歓迎されているのではありますが、余り進んでいないんじゃないか、こういうふうに実感をしております。
コストや労力がかかるとか、あるいは技術的に難しいとかいう問題があると思うわけでありますけれども、あるいはまた、サイズや品質で規格外の商品をつくる、そのために加工や流通になじまない、こういうことなんだろうか。進まない理由はどういうことなのかと考えているんですけれども、御意見がございましたら、教えてください。
○高橋参考人 有機農産物に対する需要というのは、市場でいえば、ニッチ市場という特定の小さな市場であって、特定のグループの方々がそれを望んでおられる。そこへどういうふうに生産者から流通機能を通じて商品を提供するかというシステムが、従来の卸売市場を中心とした流通体系の中ではどうもなじまない。そういう意味で、有機農産物をつくっているようなグループが全国ネットワークをつくって、そして例えば生協だとかあるいは特定のスーパーマーケットで差別化したような商品チャネルをつくっている。そういうふうな形で、今、別でも審議されておりますが、卸売市場における野菜の流通の多様化ということに対応することではないかというふうに考えます。
○白保委員 大変ありがとうございました。
最後に、須之内参考人にお伺いをしたいと思います。
農業の三要素として、土地、労働力、資本ということが言われてきたわけでありますが、ある外国の研究者は、これからの日本の農業には、加えて知力という要素が必要じゃないか、こういうふうなことを言っている方もいるわけでございます。
WTOの交渉や環境問題等に迫られている日本農業にとっては、まさに皆さんのように各地域において農業の知的な戦略の後押しをしていく、そういう存在が大変重要な存在だ、こういうふうに思うわけでありますが、改めて、我が国農業における皆さん方の位置づけ、このことについてお伺いをしたいと思います。
○須之内参考人 私ども、普及員、普及事業がある意味という部分だろうというように考えます。
一つには、我々はどうしても、表には出ない立場ですけれども、いわゆる行政、そしてサービスを受ける現場の農家の方々、その間に立って、もちろん我々は行政組織の一員でもありますから、行政施策についてしっかりと現場におろしていかなきゃならぬということが一つございます。これは、今まで十分に我々も果たしてきたというように考えております。
また反対に、現場にある課題を吸い上げて行政施策化するという役割が大きくございます。これについては、我々もしっかりと現場にあってやってきたつもりではございますけれども、やはりどちらかというと、おろそかになってきた部分ではないかなというようにも反省をしているところでございます。
ですから、これからの普及のあり方、役割ということを考えますと、やはり間にあって、一つの、通訳ではないですけれども、言語の違う者をそれぞれ意思疎通ができるような形にするというのが一つの大きな役割だろうというように考えています。
そういう中で、しかも、先ほど先生、知力ということをおっしゃいましたけれども、農家の方々が知力が劣っているとかそういうことでは全くないんですけれども、やはりどうしても我々、サービスをする立場でありますと、要請に対して直接こたえてしまうということが多々ございます。そうしますと、やはり農家の方々も、そこでしっかりと考えて次のステップを踏むというようなことが本当は必要なんですが、直接サービスを返してしまうとそこで完結をしてしまうということがございますので、そういうことを、知的な部分の蓄積を農家の方たちにもしっかりとしていただくようなお手伝いを我々の役割としてやっていくべきではないかというようなことは考えております。
以上です。
○白保委員 時間が来てしまいましたが、最後に一点だけ。
茨城県で農業総合センターを設置して、そのもとに地域センターを位置づけているそうですけれども、普及活動の効果的、効率的な運営という面でどういうふうな評価をなされておりますか。
○須之内参考人 茨城県の農業総合センターという組織は平成四年から設置をされているんですけれども、実質、農業総合センターの傘下に、試験場それから農業大学校そして普及組織、三位一体という表現をしておりますけれども、こういう三つの組織が、一体化しているということではなくて、農業総合センターの傘下に入ることで連携をより強くとれるようにしようというような目的で実施しているものでございますので、そういう中で、試験研究の課題が現場に通りやすくなった、あるいは現場の課題が試験研究に通りやすくなったというような利点は十分出てきております。
○白保委員 ありがとうございました。
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