国 会 質 問

平成16年03月04日
衆議院 農林水産委員会


政府参考人出頭要求に関する件
農林水産関係の基本施策に関する件(高病原性鳥インフルエンザ問題)


○白保委員 公明党の白保でございます。

 実は昨日、私どもも、冬柴幹事長を本部長として対策本部を立ち上げたわけであります。一方、また、自民党と公明党の幹事長、国対委員長の会談の中でも、家伝法の改正も視野に入れながらこの対応も考えていかなきゃいけないなということも話し合われております。

 そういった中で、特に今回の京都の浅田農場ですか、そこの対応の問題についてまず最初にお聞きをしていきたいと思いますが、これを見ていますと、要するに、養鶏業者や農家への立入調査というものに対しても限界があるなと。現に、前日にそこまで行っていて、中まで入れない、入らなかったということで、翌日あたりから大きな、確認作業は聞き取りだけで終わってきている、こういう状況というものが実際にあるわけですね。

 そういった面から考えていきますと、先ほど家伝法の五十二条についてのことも触れられましたけれども、限界がある。こういった問題については、やはり業者や関係者の通報というものが非常に大事になってくるだろう。そういった面で、私は、今回の初動の調査についてどのような問題点があったのか、これについては農水省としても考えておられるだろうと思いますので、まずその点をお聞きしたいと思います。

○中川政府参考人 高病原性鳥インフルエンザへの対応の要諦は、先ほども申しましたが、やはり早く異変を察知して、早く対処するというのが基本でございます。そういう観点から、これまでも、都道府県を通じまして、立入検査も含めましてでありますが、一斉調査を行ってきたわけであります。その一斉調査につきましては、先生、先ほどおっしゃいましたような現実の問題点もあったのも事実かというふうに思います。

 そこで、今回の京都の例の反省の上に立ちまして、先ほども申し上げましたが、現行の家伝法の五十二条の枠の中でもいろいろ工夫の余地があるということで、きょう、各都道府県に通知を出しまして、一週間に一回、定期的にきちっと報告を聴取するという仕組みをとったわけであります。

 こういったことをやることによりまして、当然、関係者の意識を高揚するということもありますし、また、異変があれば、家畜保健衛生所の方でもそれが察知できるということで、こういった京都におきます実態の反省の上に立って改善をしていきたいというふうに思っております。

○白保委員 同じく、家畜伝染病予防法に関してお聞きしたいと思いますが、今、業者の方からの報告という話がございましたけれども、十三条と報告マニュアル、この関係についてお聞きをしたいと思います。

 十三条の患畜の届け出義務、これについては、獣医師がやることになっておる。獣医師による診断または検案を受けていない家畜、またはその死体については、その所有者が届け出ることになっている。所有者は、家畜が患畜か疑似患畜か、どのように判断をし、また、どの程度の状態で届け出義務があるのか、この部分というのがどうもはっきりしてこない。こういった部分をしっかりとはっきりとさせていかないと、業者としても、やはりどの状態かなという判断がしにくいだろう、こう思うんです。ですから、そういう面では、しっかりとしたはっきりした判断というものができるような状況に持っていかなきゃいけないだろう、こういうふうに思います。

 同時にまた、報告マニュアルでは、鶏の一〇%が死亡したら、マニュアルに一〇%死亡という比率というふうに聞いておるんですが、県によっては、〇・三%という非常に厳しい、こういったものも持っておるというところもあるようです。したがって、マニュアルで定めているところの数字の一〇%の根拠というのは一体何なのか。

 二つありますかね、今言ったこと、このことについて答えてください。

○中川政府参考人 まず、家畜伝染病予防法の第十三条の届け出義務のところの基準といいましょうか、どういった判断でもってやるのかというところでございますが、この条文の規定以上に、特別の数値的なものを含めての基準というものはございません。

 これは、獣医師、あるいは獣医師による診断を受けていない場合はその家畜の所有者が、いろいろな諸般の事情でもって、逆にこれに違反をするという事態があるとすれば、それは客観的に、その後、事実を調査いたしまして、当然それは予見し得たはずであるというふうな、そういう判断に基づいて、これに違反したかどうかというところはきちっと判定をしていくといいますか、判断をしていくということでございます。

 他方、今先生がおっしゃいました防疫マニュアルに書いてある一〇%というものでありますが、これは、家畜の飼養者は、実はここの一〇%ではなくて、ふだんから、自分の飼っている、飼養している鶏の状況によく注意をして、異変があれば届け出をするようにというふうにマニュアル上は書いてございます。他方、先ほどおっしゃいました一〇%の数字といいますのは、家畜保健衛生所の防疫員が立入検査をする際の目安として、こういった数字が記載をされているわけでございます。

 これ自体、我が国において高病原性鳥インフルエンザが発生をしていない状況のもとで、一つの目安として、専門家の意見を聞いて設定をしたというものでありますので、今回の三例も含めまして、実態とこれが合っているかどうかというのは、また改めて専門家の意見を聞いた上で、必要があれば見直しをすることも考えたいというふうに思っております。

○白保委員 諸般の事情等を勘案して、要するに、所有者がみずから判断をするわけですね。そういうのはひとつ、なかなかわかりにくいな、こんなふうに感じるんですね。

 ですから、そういう面では、もう少ししっかりとした目安といいますか基準というものを定めていかないと、大丈夫なんじゃないかな、こんなような判断でいたら、気がついてみたら、一気に広がっていたということだってあり得るわけですから、この十三条を含めて、五十三条や五十二条ですが、先ほどの話もございましたが、しかとその辺の改正も視野に入れて、再発防止のための手だてをやっていく必要があるなというふうに感じております。

 そこで、環境省の皆さんにもおいでいただきましたが、この感染ルートの解明の問題で、環境省も、渡り鳥とかいろいろなものを調べたりなんかいろいろやっていると思うのです。そういった面で、私はどうも、環境省の皆さん方が、やっていらっしゃるんだろうと思いますが、私自身には、どういうことをやっているのかというのがよく見えてこないわけですね。

 そして、これはしっかりとした調査をやっていきませんと、タイやベトナムでも人間の死亡例が二十人、こういうふうに出ているような状況にもありますから、パンデミックと言われる爆発的な感染状態になるというようなことも言われておりますので、これはあおるわけじゃありませんけれども、そういう面では、どのような調査をされて、感染ルートというものを環境省の立場から調査をされているのか、これについて伺いたいと思います。

○小野寺政府参考人 環境省で行っております感染ルートの調査は、野鳥、とりわけ渡り鳥関係が感染ルートとどういうかかわりを持っているかということであります。

 具体的には、発生した三地域、三府県について、発生箇所半径十キロの中に野鳥及び渡り鳥がどのぐらいいるのか、また、その特定された渡り鳥の種類がどういうルートで入ってきているかということを、実態を調べながら分析しているのが一つでございます。

 それからもう一つは、これは関係四府省の緊急調査の一部でありますけども、鳥取大学で、野鳥、とりわけ渡り鳥のウイルス保有調査というのを今、分析をやっているところでありますが、その調査にも協力をしているところであります。

 今現在で我々が把握しておりますものは、その三地区の半径十キロの円の中で、山口県が四種、大分県で十四種、京都府では九種の渡り鳥が存在していることを確認しているところでございます。

○白保委員 先ほども申し上げましたように、今のを見ていますと、どうも感染ルートというのが、いろいろなことを言われておりますし、環境省の方もしっかりとした御努力をお願いをしておかなきゃいけない、こう思っています。

 そこで、感染拡大を防いでいくために、国民の不安も払拭するためにも、徹底した検査を行うべきだろう、こう思います。立入調査を義務づけて、調査をするのも、ウイルスを媒介することのないように万全の注意を持って、全国一斉の調査を実施すべきだ、こういうふうに思っておりますが、調査に当たっては、家畜防疫員や獣医師などの専門家を総動員して、一回、きっちりとした調査をやってみたらどうかな、こう思いますけれども、いかがでしょうか。

○金田副大臣 白保先生御指摘のとおり、全国一斉に調査をしなきゃならないのかなと思うこともありますけれども、今、とにかく早く発見して、早く蔓延防止措置をとるということでございます。

 さっき一〇%とかという数字等々を御指摘されましたけれども、これではだめだというようなことで、昨日の家きん疾病小委員会におきまして、対策を強化しようという指示がなされました。

 そして、きょう午後三時から、都道府県の担当部長会議を招集いたしまして、これから、一週間に一回、とにかく家畜伝染病予防法に基づきまして、死亡羽、うちでは何羽飼っているんだけれども何羽死んじゃったというようなことを毎週報告させるということを指示いたしました。そして、おや、死に方がおかしいぞというようなことがわかってまいりますので、そういった場合には立入検査をするというようなことで対応してまいりたいと思っております。そうしますと、全国一斉に検査をするというようなことと同じ効果があらわれるんだろうというふうに期待しております。

○白保委員 そういうことですよ、まさに。感染ルートがはっきりしてこないでしょう、そういう中にあって、どこでどう出てくるかわからないという不安をみんな持っているわけですから、全部きっちりと一週間ごとに調査をしたものが上がってきて、大体どこは大丈夫だなということになっていけば、環境省も余り苦労しなくても済むんじゃないのか、渡り鳥をやらなくても大体の流れというのが見えてくるんだろう、こういうふうに思うわけです。

 したがって、今申し上げたのはそのことを言っているわけですが、何かありますか。

○金田副大臣 発生原因の究明と感染ルートの究明ということであろうと思いますけれども、BSEの感染ルート等もいまだ、一生懸命頑張っているんですけれども、なかなか解明ができないというのが実態でございます。

 大勢の専門家の皆さん方にお願いし、また各省庁の皆さん方に御協力いただいて、ウイルスの型の問題あるいは遺伝子配列の問題、疾病の疫病的な検査の問題、そういったこと、あるいは環境省には野鳥の関係などをやって、感染源の究明に努めるというようなことで、大分時間がかかると思います。また、科学技術振興調整費、研究費という形の中でも御協力いただいて、一生懸命に頑張っているところでございます。

○白保委員 それでは、大臣には昨日から大変御苦労さまでございました。

 問題は、周辺農家への補償とそれから支援策の問題、これはもう喫緊の問題だろう、こういうふうに思います。一生懸命育てて生産して頑張ってきても、こういった問題が起きてきたときに周辺に大きな打撃を与えたのでは、生産農家は大変でございますから、周辺農家への補償と支援策、そういうことについてはぜひしっかりとした形でもってやっていただきたいな、こう思っています。

 現状の制度では、感染した農家、農水省から鶏の処分命令を受けた農家だけを補償の対象としていますね。周辺農家はその適用外のために、鶏が感染した疑いを持った業者や農家が、その周辺農家のことを心配して通報がちょっと遅れたり、そういうことがあってはいけないわけですが、そういったこともあるのではないかという指摘をされている部分もあります。

 実際、周辺農家は、卵が出荷できず、倉庫への保管経費だとか風評被害だとか、そういったことで悲鳴を上げていることは、もう先ほどから皆さんがおっしゃっているとおりでございますから、この際、補償部分についてはしっかりとした整備をすべきではないかと思いますが、先ほどのお話もございましたけれども、ぜひ大臣のこの辺のことについてのお考えを御答弁いただきたいと思います。

○亀井国務大臣 まさにこの問題が、通報の問題等々大変心配をかけるわけでありまして、十分、農家の皆さん方のことに対しまして、この制度化の問題につきまして早急に、いろいろ複雑な問題もございますけれども、この制度化のために検討してまいりたい、こう思っております。

○白保委員 流通と偽装表示、これは厚生省の皆さん方に聞きたいと思いますが、京都では、発生した、感染した鶏が出荷されてしまった、加工品はさらに全国に流通してしまった、それで、神奈川にはもう五千キロですか、こういったものが来ている、新潟にも肉が一千キロ行っている、香川、三重にも骨や羽毛が行っている、こういうふうに流通が行っているわけですね。加熱でこのウイルスは死滅するといっても、取り扱う業者というのは非常に注意が必要です。

 以前、これはことしに入ってからですか、京都では山城農園が期限切れの卵を偽装表示して出荷して、食品衛生法違反によって出荷停止処分となったことが記憶に新しいわけですが、今後、問題のある表示をするケースが出ることも考えられるわけでございますので、この辺の監視の問題について、厚生労働省はどのようにお考えでしょうか。

○遠藤政府参考人 食品表示の監視の問題でございますが、都道府県等において監視指導を行っているところでございますけれども、定期的な立入調査等の際に、表示の状況についてもあわせて確認をしているということでございます。

 厚生労働省におきましては、食品の表示に関係する公正取引委員会、農林水産省との間で食品表示に関する相互の情報提供や協力体制の徹底を行うとともに、食品衛生監視指導指針においても、都道府県等の食品衛生担当部局と表示関係行政機関との間で違反情報を相互に提供するなど、連絡及び連携体制を確保するよう示しているところでございます。

 今後とも、適正な表示が確保されますよう、都道府県等の協力を得まして、食品等事業者に対する監視指導に努めてまいりたいと考えております。

○白保委員 ぜひ頑張っていただきたいと思います。

 では、最後に、大臣にちょっとお聞きしたいと思っているんですけれども、新聞報道によりますと、石原事務次官が、流通の実態把握が欠けていたかもしれない、申しわけないと思っている、こういったことで謝罪したと報道がなされておるんですが、これは農水省の対応に誤りがあったんでしょうか。

○亀井国務大臣 石原事務次官の発言は、農水省と都道府県との緊密な連携をとらなければならない、こういう視点で申し上げた、こう思います。

 そういう点で、先ほど来話がありますとおり、きょうも全国の部長にお集まりいただき、また、情報の一元化、こういう問題につきましても十分対応するように私からも指示をしております。

○白保委員 終わります。